2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K04667
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大友 秀明 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30176945)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 政治教育 / シティズンシップ教育 / 社会科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)我が国の学校教育において多様に実践されている「政治教育・シティズンシップ教育」の歴史と理論と実践を調査・分析し、その複雑な教育パターンを類型化・体系化するとともに、(2)各パターンの「政治教育・シティズンシップ教育」 の課題を明らかにし、「情報・政治リテラシー」を育む時事的論争的な課題を教材化し、実践することによって、現在求められている「公共的な事柄」に主体的に参画する意識や態度を身に付けた市民を育成する「政治教育・シティズンシップ教育」の在り方と可能性を究明することである。 本年度は、二つの方向から研究を推進した。 第一に、ドイツ連邦共和国のボンにある政治教育センターを訪問し、ナチズム関連の資料を収集し、「政治教育・シティズンシップ教育」の教材化に向けた基礎的な研究を行った。 第二に、「リテラシー」の基礎に当たる「社会的な見方・考え方」について、次の4つに分類・整理した。①社会科が取り扱う領域(歴史、地理、政治・経済・社会)に固有な「視角」。つまり、社会的事象を空間・時間的比較、関連、総合などの視点からとらえること。②社会的事象を読み解くときの「概念的枠組み」。例えば、「対立と合意」、「効率と公正」など。③社会科学における「概念」「理論」。例えば、「市場経済の基本的な考え方」など。④社会科教育の目標の「観点」を構造化したもの。知識・理解、思考・判断、技能・能力、関心・態度の観点を包摂したもの。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外で資料を収集することができた。また、日本社会科教育学会主催の「政治教育」や高校の新科目「公共」に関する研究会・シンポジウムに参加し、議論する機会を通して、研究の新たな視点を得ることができた。 ただし、「情報リテラシー」を育む教材開発についての研究の着手が不十分であり、次年度以降の研究の課題であり、進捗状況は、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の方策は、以下のとおりである。 第一に、我が国の学校教育において多様に実践されている「政治教育・シティズンシップ教育」の歴史と理論と実践を詳細に調査・ 分析することである。 第二に、「情報・政治リテラシー」を育む時事的論争的な課題を教材化することである。
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Causes of Carryover |
「研究の打ち合わせ」等で使用予定の人件費・謝金について、メールのやり取りで済ますことができたので、支出額が少なくなった。 来年度は最終年度になるので、研究成果の取りまとめなどのために、旅費、人件費、謝金等に支出する予定である。
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Research Products
(4 results)