2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Musical Education Program Utilizing Active Learning Developed Cooperatively in Japan, Australia and U.S.: Focused on Creative Music Making
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16K04673
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
時得 紀子 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (30242465)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 能動的な学習 / 音楽づくり / 授業プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
日米豪の実践事例を比較考察しながら、(研究の後半には、スイスジュネーブ市の事例も加え)能動的な学習(アクティブラーニング)による音楽科授業プログラムのモデルを収集した。音楽科の学習領域の中でも「創作」の領域に焦点をあてて、小・中学校・教員養成課程に学ぶ学生の授業プログラムの構築を目指した。 収集した授業事例の分析には、独自に作成したカリキュラム評価の観点別に分類を試みた。その結果、日本の小・中学校・教員養成の学生の授業のうち、身体の諸感覚を生かした活動の多くに、主体的に関わって学ぶ様子をはかる「参加度」の観点に高い数値が見られた。 米国、スイスにおけるリサーチからは、オルフやダルクローズの音楽教育メソードを活用し、学習者が身体の諸感覚を駆使して活動に取組む事例が多様に展開されていた。これらの実践においても、「参加度」の評価項目に高い数値が得られ、身体表現を取り入れることは、能動的な学びと深く関わっていることが示唆された。 豪州では、他の教科・領域や、異なる芸術領域と統合される傾向が進められている背景からも、音楽・図工(美術)・メディア・アート・舞踊・演劇といった、異なる領域を横断する学習が模索されていた。音楽領域での学びのみならず、周辺芸術領域との領域横断的なアプローチによって、「身体性」「参加度」の双方の高まりが見られた。これらを手掛かりに構築した音楽授業プログラムをわが国の教育現場等で実践を行い、その効果について評価を行った。 本研究の成果の一部を国内学会の全国大会(日本教育大学協会、日本音楽教育学会)で発表した。また、国際音楽教育学会 大会誌に投稿した2編、及び、日中(日本・中国)共催の教師教育学会に大会誌に投稿した1編が、いずれも査読審査を経て採択され、全文(Full Paper)で掲載された。このように国内外において成果の発信に努めた。
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