2018 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research on "turning point at the ages of 9 or 10" in children's drawing
Project/Area Number |
16K04678
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
栗田 真司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00195554)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 描画心理 / 9歳の節 / 10歳の節 / 感性アナライザ / プロトコル分析 / 思考口述法 |
Outline of Annual Research Achievements |
9,10歳頃になると、絵を描くことに意欲をなくす子どもがあらわれる。それまでは、知っているもの、経験したことを描くが、9,10歳頃になると、見ているものを見ているままに描きたくなるのである。しかし、見ているものを写実的に描く能力はない。すると、自分の稚拙な描画能力に自信をなくし、描かなくなる。これが子どもの描画における「9歳の節」あるいは「10歳の節」と呼ばれる現象である。「9歳の壁」あるいは「10歳の壁」と呼ぶこともある。 本研究の目的は、「9歳の節」や「10歳の節」に着目し、子どもが描画への表現意欲を低下させる要因(描画内容、指導法、描画材料、環境など)について検討することである。 事前の質問紙調査によると、描くことが苦手になっている子どもは、「自分は不器用で何をやってもへただ」、「人とくらべてしまうことがある」という項目には(1よく思う)と回答し、「図画工作の勉強はやる気がする」、「自分の書く字はきれいだと思う。」という項目には(4全く思わない)と回答していた。 描画テストの結果として、描くことが苦手になっている子供は、見てチョキの手を描くことはできるが、見ないでチョキの手を描くことができないという傾向が見られた。図像的なスキーマを獲得することが苦手な可能性がある。また、見ないで描く顔も見て描く顔も同じような描画になる傾向が見られた。特に髪型は、酷似している。感性アナライザによる分析では、顔を描くことに対して、ストレス指数が高いことも確認された。
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