2018 Fiscal Year Research-status Report
食生活における自己管理力を育てるための家庭科食教育カリキュラムの開発と評価
Project/Area Number |
16K04683
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
矢野 由起 滋賀大学, 教職大学院, 教授 (00140054)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 家庭科教育 / 食生活 / 自己管理力 |
Outline of Annual Research Achievements |
生涯にわたって安全で健康的な生活を送るためには,現在はもちろん将来,社会や生活や環境が変化したとしても,その変化に対応できる力が必要である。そのためには,生活者一人一人が自分の生活の課題を的確に捉え,自分で課題を解決することができる自己管理力を育てていかなければならない。食生活についてみれば,食事は生きるために必須であるが,一方で食事のとり過ぎや不適切な食事は健康問題を引き起こす。このように生活における課題を解決するためには,問題や課題を一面的に捉えるのではなく,多面的・多角的に捉え,安全や健康を重視しつつ,生活スタイルや自分の指向に合った,生活者としての合理的で実現可能な意思決定をしていかなければならない。こうした問題意識のもと,本研究においては,生涯にわたって安全で健康的な食生活を送るための自己管理力を育てるための家庭科における食教育カリキュラムを開発することを目的とする。 本年度においては,食生活上の具体的場面として食品購入時における食品選択場面に焦点をあて,その実態を把握することを目的とした。具体的には,食品選択場面における学生の食品選択行動の実態を捉えるとともに,食品選択行動を左右する要因やその背景について検討した。その結果,日常生活における食品選択行動の実態及びその行動に影響を与える要因について把握することができた。これらの研究結果より,食生活における自己管理力を高めるためのカリキュラムを開発する上での重要な示唆を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学生を対象とした食品選択行動の実態及びその行動の背景について知見を得ることができた。これらの知見は,研究の目的である食生活における自己管理力を育てるためのカリキュラム開発に重要な示唆を与えるもので,得られた知見を基盤として,自己管理力を育てるための食教育カリキュラムの開発の構想を進めることができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
文献や資料から得られたリスクやリスクマネジメントに関する知見,食生活におけるリスクやリスクマネジメントに関する知見,学生を対象とした食品選択場面における選択行動の実態調査により得られた知見等に基づいて,食生活における自己管理力を育てるための食教育カリキュラムを開発する。 また,自己管理力を育てるための効果的な学習教材及び学習方法,例えば,階層分析法やピラミッド型ランキングを用いた学習方法の導入を検討し,食生活を自己管理できる自立した生活者を育てるための家庭科における学習内容や学習方法についても提案する。
|
Causes of Carryover |
データ入力や統計処理のためにパソコン等の備品を購入したが,性能がよい機器が安価で入手できるようになったこと,インターネットから研究者が共通に使用できる無料の統計処理ソフトが入手できるようになったことなど,研究を進める上での周辺環境の整備が進んだことにより,次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(1 results)