2019 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Research by Developing, Practicing, and Verifying Learning Materials to Encourage Civic Engagement of Students
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16K04684
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
峯 明秀 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10379323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐木 清志 筑波大学, 人間系, 教授 (40273156)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会形成力 / 価値判断 / 意思決定 / 学習材 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来,社会科では社会認識形成と公民的(市民的)資質育成の両面から目的が論じられ,どちらに重点をおくかによって,社会科が担う範囲や立場を限定してきた。しかし,社会の急激な変化に伴い伝統的なカリキュラム・内容編成の考え方を超えて,未来に生きる学習者が自立した責任ある市民として社会を形成し得ることを保障する学習を真に実現する必要がある。この問題意識のもと,小学校・中学校における価値判断・意思決定を中心に据えた学習材を開発し,学習過程を組織・実践し,確かな社会認識形成と教室を超えた社会形成力の育成を図ることを目的として,「児童・生徒の社会形成力を育成する学習材の開発・実践・検証による実証的研究」を推進した。評価のためのエビデンスとして,IEA市民性教育の調査問題を適宜,改変し,プレ・ポストアンケートとして用いた。民主的な風土をもつ教室において,より現実の公共空間の中での実際的な問題や事象を通した実質的な学びを,子どもたちに保障するような学習が展開される必要があることが示された。とくに,本研究が目指す学習材の実践を評価するためには,市民性調査に関する5つの観点(①市民性に関する知識と情報解釈の技能,②民主主義・市民権・政府に関する生徒の概念,③国家・政府・移民・女性の政治的権利に対する生徒の態度,④市民的関心と政治的活動,⑤市民的参加に対する機会についての生徒の見解)の質問紙を小学校,中学校の児童生徒を想定し,適宜,改編し用いることが重要である。研究成果物として,研究分担者・協力者との共著により『子どもと社会をつなげる見方・考え方を鍛える社会科授業デザイン』を著したことは,学校現場で児童生徒の指導にあたる社会科教師に主権者教育,シチズンシップ育成についての考え方や実践のあり方について,広く示唆を与えるであろう。
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