2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a cross-culturally collaborative learning model for art education through a partnership of American and Japanese elementary, middle, high schools and universities
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16K04692
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 和世 広島大学, 教育学研究科, 教授 (20363004)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際協働 / 異文化間教育 / 図画工作 / 美術 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は、以下の4点にまとめられる。 (1)ユネスコから2014年より出された一連の地球市民教育に関する文献や教育学分野における主要な研究のレビューなどを通して、今日の学校教育で求められているグローバル化対応の指針や方法を整理・検討し、ジョン・デューイの芸術理論と教育哲学をベースに、美術を中心とした異文化間教育の理論的枠組みについて明確化した。 (2)シカゴ大学実験学校の小中学校の教員2名、広島大学附属高等学校・三原小学校の教員2名を研究協力者として、「異文化共感性」を育む美術を中心とした異文化間カリキュラムを開発し、その教育的効果を図る質問紙を作成して、効果検証を行った。プレテスト・ポストテストによる調査から、両国の児童・生徒に対して開発したカリキュラムの効果が示されるとともに、異文化共感性には、発達段階があることが示された。 (3)6月9日に米国インディアナ大学東アジア研究所の副ディレクターであるテレサ・カング教授を広島大学に招聘し、「美術教育による日米の学校間グローバル・ネットワークの構築」をテーマに研究協力者の教員等を交えて協議を行った。地球市民に不可欠な資質である「異文化共感性」を育むために効果的な指導のあり方、地球市民教育を行う教員に必要とされる資質や能力を中心に話し合いを進め、これまでの共同研究の振り返りを通して、成果の確認を行うとともに、今後の研究課題を明確化した。 (4)本年度より、広島県東広島市立久芳小学校、インディアナ州ブルーミントン市チャイルズ小学校を研究協力校に加え、日米の図画工作科教員と共同研究を行い、異文化間カリキュラムを開発している。カリキュラムの編成原理や指導原理について、昨年度までに実施した日米の他校における開発の成果を合わせ、異なる文脈においても高い教育的効果が得られる原理について検討を進めた。
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