2017 Fiscal Year Research-status Report
「相互発達モデル」に基づく算数・数学科の授業改善に関する認識論的・記号論的研究
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16K04703
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山口 武志 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (60239895)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 相互発達モデル / 算数・数学教育 / かけ算の筆算 / 授業改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の目的は,次の3点である。第1の目的は,前科研研究の成果として提起した「数学的意味と数学的表現に関する相互発達モデル」(相互発達モデル)に関する理論的精緻化を図ることである。第2の目的は,筆算のような慣例的表現が導入される教材に焦点を当て,理論的に精緻化された「相互発達モデル」に基づいて,教材ごとに実践的課題を具体的に導出することである。第3の目的は,導出された実践的課題をふまえながら,「相互発達モデル」に基づいて具体的な授業改善案を策定し,教授実験を通じて,授業改善案の有効性,妥当性を実証的に検証することである。 以上のような3つの研究目的のもと,平成29年度の研究では,主として第2及び第3の目的にかかわる研究を行った。具体的な研究成果は,以下の通りである。 小学校第3学年「かけ算の筆算」の授業について,「かけ算の意味と筆算との相互関係」という視座から,授業の課題や授業改善のポイントを検討した。その結果,(1)かけ算に関する多様なやり方を共有しながら,十進の原理に基づくかけ算のやり方の一般性,能率性を十分に理解させること,(2)繰り上がりのないかけ算から繰り上がりのあるかけ算にかけて,慣例的な筆算を導入する適時性を検討すること,などが授業づくりのポイントとして明らかになった。これらをふまえ,「相互発達モデル」を理論的基盤とした授業改善案を策定し,公立小学校の協力を得て,計12時間にわたる教授実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究では,「相互発達モデル」に基づいて,小学校第3学年「かけ算の筆算」の授業改善案を具体的に策定し,教授実験を実施した。平成30年度の研究において,授業記録の詳細な考察を引き続き行う予定ではあるが,実践を通じて,本研究において策定した授業改善案がおおむね有効であったと考えている。以上を総合的に考慮して,研究が「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の研究では,平成29年度に実施した第3学年「かけ算の筆算」に関する授業記録の考察を引き続き進め,研究結果を論文としてまとめる予定である。また,中学校における統計教材について,「相互発達モデル」に基づく具体的な授業改善案を策定し,授業実践を通じて,その有効性,妥当性を検証する予定である。
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Research Products
(1 results)