2017 Fiscal Year Research-status Report
介護観が介護実践に及ぼす影響-介護実践の構造化に向けて-
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16K04717
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
武田 啓子 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (70548685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久世 淳子 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (50221221)
水谷 なおみ 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20515605)
丹羽 啓子 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (10331646)
藤原 秀子 日本福祉大学, 健康科学部, 助教 (10516909)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 介護観 / 介護実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,介護観が介護実践に及ぼす影響を体系化し,介護実践を構造化することである.平成29年度は介護職員を対象に介護観および介護実践の実態を明らかにするため,勤務年数や所持資格による相違について検討した.また,平成28年度に実施した介護観形成プロセスに関する調査を継続し,以下2点の調査を実施した. 1.介護福祉士養成課程の学生を対象とした介護観形成プロセスに関する質問紙調査:昨年度と比べて,各学年に大差はみられなかった.入学前の介護の考え方を2年次と縦断的に比較したところ,50%の学生では記述数が増加しており,34.2%の学生では減少していた.入学前の考えにはエピソードも含まれており,介護観の形成過程を自伝的記憶の観点から検討できる可能性が示唆された. 2.介護職員を対象とした介護観と介護実践に関する質問紙調査:特別養護老人ホーム,介護老人保健施設,および身体障害者支援施設,計35施設に勤務する介護職員1,106名を対象に実施した.回収数は,579名(回収率52.4%)であった.以下,4点の知見を得た.①介護職員の介護観は,施設種別(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・障害者支援施設)によって因子構造が異なる.②介護実践について,「サービスマネジメント」「介護過程の展開」「チームリーダー」「多職種連携」の4因子が抽出され,勤務年数11年以上の群は10年以下の群よりも介護実践が有意に高かった.③介護福祉士養成課程を卒業した介護職員は,勤務年数5年未満群と5年以上10年未満群では介護実践に大差はみられず,勤務年数5年未満の介護職員も,介護実践力の基盤が育まれている様相を示した.④介護観を意識する介護福祉士ほど,介護実践が高くなる傾向を示した.その他,「介護観」に関する自由記述内容については,分析枠組みのもと分析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に実施予定であった介護職員を対象とする質問紙調査,および昨年度に引き続き介護福祉士養成課程の学生を対象とした介護観形成プロセスに関する質問紙調査を実施した.これらの調査結果から,介護観の形成プロセスおよび介護観が介護実践に及ぼす影響を検討し,介護実践を構造化する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度および29年度の成果をふまえて,次の2点について検討する予定である.①介護観が介護実践に及ぼす影響をふまえて,介護実践の構造化,②介護観の形成プロセス また,研究成果を学会および学術誌にて発表予定である.
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Causes of Carryover |
(理由) データ集計などを研究グループ内ですべて対応したため,人件費などの金額を抑えることができたため,総支出が予定よりも減額した. (使用計画) 平成30年度は,研究の最終年度であり積極的に成果報告を行うため,学会旅費,および報告書作成等に充当する予定である.
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Research Products
(6 results)