2016 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害児の言語活動を充実させる看図アプローチを用いた教材開発・授業開発
Project/Area Number |
16K04728
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
鹿内 信善 福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (20121387)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看図アプローチ / 聴覚障害児 / 言語活動の充実 / 看図作文 / 協同学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では看図アプローチを用いた聴覚障害児の言語活動を充実させる教材開発・授業開発研究を行っている。 鹿内は看図アプローチを次のように定義している。英語圏の多くの国や地域では,「見ること」をカリキュラムの中に取り入れている。その目的はビジュアルリテラシーの育成である。見ることを重視した教育は,中国でも行われている。中国語では,ビジュアルテキスト(絵図)を読み解くことを「看図」とよんでいる。また,絵図を読み解いた内容を作文として発信させる「看図作文」という方法も普及している。しかし現在中国では,看図作文の指導が形骸化し,看図作文が本来もっている教育効果を発揮できていない。そこで鹿内は,中国の看図作文を「ビジュアルリテラシーを育成していく方法」として洗練していく研究を行ってきた。鹿内は,中国の看図作文に心理学や物語論の研究成果を取り入れ「新しい看図作文」を開発してきた。この研究から生まれた成果を作文教育以外の教育領域に適用していくことを「看図アプローチ」とよんでいる。 研究計画調書では平成28年度に取り組む第一の課題として「聾学校における協同学習看図作文授業づくり」をあげている。平成28年度はまずこの研究を行った。鹿内らがこれまでに開発してきた看図作文授業モデルを聾学校でも活用できるようにアレンジし実践を行った。 聾学校は児童数が少ない。聾学校だけで教材開発や授業開発をすることは難しい。このため聾学校以外の小中学校でも,聾学校に提供するための教材開発・授業開発研究を行った。 看図アプローチではビジュアルテキストを活用して授業をつくっていく。より有用性の高いテキストを,聾学校に提供するため,多くのビジュアルテキストの開発も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
札幌聾学校幼稚部・小学部・中学部が連携して研究に取り組む計画になっている。しかし平成28年度は,中学部が研究に参加できなかった。この点が「おおむね」と判断した理由になっている。 聾学校での研究成果は,日本協同教育学会で発表した。また紀要論文にもまとめてある。聾学校以外の小中学校が聾学校に提供する教材開発・授業開発研究も紀要論文としてまとめた。北海道の聾学校教員を対象とした研究会でワークショップも交えながら研究成果を発表した。研究計画調書には,研究成果はワークショップによっても発表していくと明記している。このために日本協同教育学会では「アクティブラーニングを成立させるための看図アプローチ」というテーマでワークショップも行った。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には研究計画調書に記載した方針に基づいて研究をすすめていく。それ以外にも次のような推進方策を考えている。聾学校での実践研究数を増やす必要がある。しかしフィールドが札幌聾学校だけでは児童・生徒数が少なく,多くの実践を行うことには限界がある。他の都道府県にある聾学校での実践も視野に入れて研究をすすめていきたい。 また現在,看図アプローチは看護教育の領域でも盛んに取り入れられている。看護教育領域での研究成果を聾学校に提供していく方途も検討していく。鹿内らがこれまですすめてきた看護教育領域での研究との連携も考えていく。
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Causes of Carryover |
ビジュアルテキスト制作費(謝金)の執行が必要になった。しかし,謝金振込手数料が不足した。このため平成29年度直接経費から振込手数料不足額を補填しビジュアルテキスト制作費を支払うことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に必要になった謝金振込手数料の不足分を平成29年度直接経費から補填し,前年度残額をビジュアルテキスト制作費(謝金)として支払った。
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Research Products
(5 results)