2016 Fiscal Year Research-status Report
デジタル教科書用デバイスを活用した野外観察教材の開発
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16K04735
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
斎木 健一 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (40250055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 史 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (30293004)
林 延哉 茨城大学, 教育学部, 准教授 (60282274)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 野外観察 / 理科教育 / 生物教育 / 身近な自然 / 野草 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、以下の4つの問題点を明らかにするため、浦安市立入船中学校および君津市立君津中学校で中学1年生を対象にiPadを用いた授業を行った。 (1)児童生徒用の教材「デジタル野草カード」に必要な条件。(2)児童生徒用「野草検索サイト」が、教材として必要か否か。(3)指導者が事前に野草の名前を知るためのツール「野草検索サイト」に必要な条件。(4)校庭でデジタルデバイス(iPad)を使用するために必要な環境。 その結果、(1)紙版の野草カードで裏面にある解説を、デジタル野草カードでは省略して授業を実施した結果、識別には画像があれば十分であり、形質についての説明は不要であることが明らかになった。(2)については、iPadで検索作業を行わせた結果、「検索」という作業が、中学一年生にとっては難易度の高い作業であることが明らかになった。校庭の野草観察に費やすことのできる授業時数は普通1校時であり、そのなかで観察と検索を同時に行うためには、さらなる工夫が必要である。(3)については、観察時の花の有無が大きな要素であることが明らかになった。(4)については、校庭等の屋外でインターネットを使用できる環境が必要であることが明らかになった。現在デジタルデバイスの導入を進めている多くの学校で、屋外での受信は想定されておらず、問題点が明らかになった。 研究結果の一部は、日本生物教育学会第101回全国大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観察対象の野草の多くが5月には花期を終えてしまうため、校庭の野草観察は4月におこなうことが望ましい。しかし、この時期の中学1年生は、新入生対象の様々な行事があり、実験計画を立てることが難しい。今回、4月には入船中学校1校でしか、実験を行えなかった。ただし、秋に君津中学校で同様の授業を行うことができたため、季節は異なるものの、ある程度のデータを取ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに、2017年4月下旬から5月上旬にかけて、2つの中学校8クラスでipadを活用した授業を実施した。このなかでは、野草カードとの比較やタイプの異なる野草カードを使い、効果を比較した。これらの実験で得られたデータを解析し、野草検索サイトの改善、教員への教材配布方法の検討を行いたい。
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Causes of Carryover |
共同研究者、林延哉が交通事故により入院し、計画遂行が不能となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ウェブサイト改良のための参考図書購入等に使用する。
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Remarks |
2014年に作成したウェブサイトに改良を加えた。
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