2016 Fiscal Year Research-status Report
個性豊かな子どもを育む小中学校教員養成のための「形学習プログラム」の開発
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16K04743
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
内田 裕子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40305024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岩 幸太郎 大分大学, 教育学部, 名誉教授 (90223726)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 透視図法 / 発達 / ピクトグラム / 具象 / 抽象 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成 28 年度は「形に関する基礎知識」の調査・収集及び「形の学習診断用『形学習診断表』作成」のための調査・分析を行った。 「形に関する基礎知識」の調査・収集では、文献やTV番組、展覧会等の調査を中心に行い、形の種類や学習方法、社会における形の役割等について整理した。また、「形の学習診断用『形学習診断表』作成」のための調査・分析においては、子どもの形の学習過程の研究についての文献調査の他、先行研究が少ない(制作を業とせず、描画活動の経験が中学校までの)大人の描画に現れる形の調査・分析を行った。具体的には、被験者が毎日描いた描画に現れた形の変遷を診ると共にその形を分類し、更に、出現する形の由来や形の変遷の理由を個人の学習履歴やインタビューから探った。 これらの調査・分析の結果、形の学習において特に重要な点として、人体を描く能力と透視図法の習得、個人が拠って立つ分野に関する知識の獲得の3点を確認した。更に、これらの3点に関する過去の学習方法を調査し、例えば、人体を描く能力に関しては、明治期に海外よりもたらされた黒板画の教授法や、人体画の描画力習得のための初期段階の学習法の一つの「人体ピクトグラム」(仮称)の学習法等があることを確認した。他方、透視図法については、個人によって奥行きの捉え方が異なることが分かったことから、透視図法によって描かれた作品の解読(鑑賞)のための学習が必要であると考え、そのための学習プログラムの内容を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画調書に記載した研究内容は概ね遂行しつつあるが、研究の過程において新たに生じた課題について、それらの解決のための実験や考察及び検討を行っていることから、上記の達成度とした。新たな課題は、次の2点である。 (1)形に関する基礎知識は、当初、造形美術分野を中心に収集する予定であったが、調査の結果、「形の科学会」が行っている様な形から科学を見る視点や科学を形に集約する視点があることが分かり、造形美術分野以外の形に関する基礎知識の収集を広く行う様にした。 (2)形の学習診断用「形学習診断表」作成のための調査では、当初、造形美術分野の形に関する基礎知識や子どもの描画の発達理論を主な対象としていたが、描画の発達理論においては描画診断の視点や学校教育を終えて一旦描画活動を離れた大人の描画再開後の描画の発達についても目を向けて調査を行う様にした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、まず、「形に関する基礎知識」の調査の一環として海外の美術施設に赴き、生活環境とデザインの関係や日本の工芸教育への影響等を調査する。次に、「形学習プログラム」の設計のため、収集した形を分類し、造形美術の学習のための形の学習過程を示す表を作成すると共に、透視図法によって描かれた作品の解読(鑑賞)の仕方や方法等についてアンケート等の調査に基づき実態を探り、学習方法の試案を作成する。更に、「形学習プログラム」の設計・構築を行い、「形学習診断表」システムを構築する。
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Causes of Carryover |
現在までに実施する予定であった海外での「形に関する基礎知識」の調査が、調査予定国の情勢の問題から延期したことにより、この調査に要する旅費及びその調査のために用いるデジタルカメラの備品費を次年度以降使用することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の「形に関する基礎知識」の調査のための旅費及びその調査のための備品の購入費に充てる予定である。
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