2017 Fiscal Year Research-status Report
資質・能力の育成と幼小の接続に焦点をあてた造形教育カリキュラム開発
Project/Area Number |
16K04745
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小橋 暁子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60468395)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槇 英子 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (20413099)
佐藤 真帆 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30710298)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 造形教育 / 資質・能力 / カリキュラム / 幼児教育 / 小学校 / 幼小接続 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児教育・初等教育の各校種、平面表現・立体表現他の各内容領域を専門に持つメンバーが、課題意識を共通に持ち集まり、「資質・能力の育成と幼少の接続に焦点をあてた造形教育カリキュラム開発」を行うことを目的とする。 本研究実施のために、研究開始年度(平成28年度)には、過去の研究内容を確認、国内外の動向の確認及び今後の調査方法を決定することを目的とし実施した。それを受けて今年度(平成29年度)は、①カリキュラム作成の背景となる幼児教育、小学校の実際の内容実施や意識に焦点をあてることを中心的な目的とし、②教材開発、③研究公表、④喫緊課題として新学習指導要領の検討を含め、以下の内容を行った。 ①教員を対象にした造形活動の内容についての質問紙調査(保育所・幼稚園・小学校)の記録回収、分析及び考察(小学校)を行った。小学校調査の分析では実際の図画工作科の実施内容状況、幼児教育に求めること等の傾向が分かった。②造形活動の内容開発では、昨年度に引き続き材料を統一して実践活動を行った。感触を楽しんだり、直接手で触れたり、道具活用の可能で身近な素材でもある「砂・土」を造形材料として選び、小学校では育てたい力をもとに実践が行われていた事例と合わせ、幼稚園での「土」を中心とした遊びの提案を行った。実践については現職教員からの評価を回収した。③研究の公表についてはInSEA国際美術教育学会世界大会(韓国・大邱市)において、"Art curriculum development in early years"をテーマに研究の基盤となる資質・能力の育成と日本の造形教育との関連をふまえて、現在の日本の小学校の実態調査結果と考察を発表した(poster)。④新学習指導要領と教育指針については、研修会の参加や現場教員の意見聴取などを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、研究の枠組みを示し、それらをもとに現在の幼児教育、初等教育での造形表現活動に対する教師の意識調査及び実態調査を行った。教員への実態調査は、先方の都合にのため分析が翌年度になることはあったが、おおむね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通りである。また学校園の現場に還元できるような成果の形についても併せて検討していく予定である。 ①教員の実態調査(質問紙調査)の分析から、個別具体的な状況を直接尋ねる必要が明らかになった。そこで複数の教員を抽出してインタビュー調査を行いたい。 ②幼小の実践活動を通した教材開発については、材料を統一した実践を継続する。 ③研究の公開については、論文、学会発表を計画している。特に平成30年度はInSEAヨーロッパ大会(ヘルシンキ・フィンランド)において発表を行うとともに、現在のヨーロッパでの造形教育の実情と育てたい力と実際の活動について動向を調査、意見交換をする予定である。 ④喫緊の課題として、特に平成30年度は海外調査を重点的に行う。平成29年度までの研究において、各国で実施されている教育改革の中での日本の教育の位置づけをする必要が明らかになった。幼小で研究が進んでいる複数の国での幼小での造形教育活動を視察し、現在行われている造形教育と子どもたちの姿、教員の意識等を調査し、日本の現状との比較を行いたい。
|
Causes of Carryover |
平成29年度までの研究において、資質・能力を基盤においた教育は各国で検討され行われており、その背景や方法も各国様々であることが一層明らかになった。そこで3年目となる30年度には海外調査を国際学会での発表も含め各研究者の専門に合わせ複数回予定することにした。そのため次年度使用額が生じている。
|
Research Products
(5 results)