2019 Fiscal Year Annual Research Report
The study of moral education through active learning for critical thinking
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16K04747
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
浅沼 茂 立正大学, 心理学部, 特任教授 (30184146)
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Project Period (FY) |
2016-01-27 – 2020-03-31
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Keywords | 相互理解 / 合意形成 / 主観的な感動経験 / 価値発達段階 / 価値葛藤 / 因果応報 / ナラティブ / 自己開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、対話を中心とするアクティブな道徳教育を、ユルゲン・ハーバーマスが明らかにしてきたような「相互理解」と「合意形成」を目指す方法としてナラティブ評価を対話と評価の過程として捉え、その実践可能性を探るものである。それは、これまで、到達目標のように指標となるような目標の文章を先におき、その目標を基準として評価するような実践を企画ごとに確定するような方法とは異なる。本研究は、実際に出てきた結果において個々人の主観的な感動経験が大きな位置にあることを明らかにするために、ナラティブ的な手法に基づき、結果そのものに即して評価する方法を道徳教育の実践に関して試みるものである。この方法は、道徳性の発達を数字ではなく、また、一定の価値尺度を当てはめることではなく、出てきた結果そのものを見るためにはどうしたらよいかということを出発点としている。このことは、道徳性の発達に関する評価をどうするかという、極めて実践的で現実的な課題意識から出てきた問いである。 まず、アクティブな道徳教育とは何であろうか。すでにこれまでの研究において、アメリカのコールバーグ派は、従来の特定の価値観を押しつけるというやり方ではない、自己の価値観の気づきから、いわば自己開発をもって発達段階的に進むというその方法を提示してきた。その基本的な考え方は、個々人の道徳的判断力は、年齢発達とともに発達段階に沿って進むということにある。ただ、それは放っておけば、自然にそうなるということではなく、認知的な発達段階と相関関係にあると考えられている。このことは、何を意味しているのであろうか。それは、知識として教え込むということではなく、自己の道徳的判断について反省的に捉えるような認知的な訓練が必要であるということである。
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Research Products
(1 results)