2016 Fiscal Year Research-status Report
教職実践のためのWebコンテンツを活用した情報学教育研修カリキュラムの開発
Project/Area Number |
16K04760
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
松原 伸一 滋賀大学, 教育学部, 教授 (30165857)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 情報学教育 / プログラミング教育 / 情報安全教育 / 教員研修 / 教職実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,ソーシャルメディア社会の教育をベースにして研修内容の分析を行い,新しい情報学教育に対応した研修モデルを構築した。 ①教育内容の抽出と分析(担当:松原,研究協力者,期間:4月~7月)松原は,既に「ソーシャルメディア社会の教育」について研究成果を公表している。この成果を踏まえ,教職実践のための情報学として,プログラミング,情報とメディア,情報社会への参画,新しい社会・構造などについて,メディア情報学の立場から抽出と分析を行うとともに,ディジタル情報の収集とその分析も併せて行った。 ②教育クラウドを活用した新しい情報学教育の研修モデルの構築(担当:松原,研究協力者,期間:8月~12月)情報学の側面から研修内容の分析を行い,緊急性とニーズが最も高いとされる「プログラミング教育」,「情報安全教育」などをテーマに取り上げ,研修内容を再構成した。この内容は,初等中等教育における情報教育の一貫した構成であり,すべての生徒に対し情報社会に主体的に対応するために社会の一員として必要な能力と態度を育てるための教員の資質と能力の向上を目指すものである。この趣旨を前提に研修モデル構築として,特に,プログラミング,情報とメディア,情報社会,情報のモラルと安全等について,抽出された研修内容に基づき方略を策定した。その際,ネットワークを積極的に活用した協働研修を支援する情報環境を構築するという立場から,代表者が既に保有する現有設備を使用し,e-LearningやWBL(Web Based Learning)としての環境も同時に想定して行った。 ③平成28年度の研究のまとめ(担当:松原,研究協力者,期間:1月~3月)本年度の研究の評価を行い,これらをまとめてその成果を公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,情報学教育の中心的テーマとして「情報安全教育」を取り上げることとしていたが,情報学分野の教育において,初等中等教育におけるプログラミングが注目される中,小学校におけるプログラミング教育が緊急の課題となった。 そこで,本研究の研修カリキュラムの対象として,「情報安全」だけでなく「プログラミング」も取り上げることとし,情報学教育の中心課題を拡大拡張し,教員研修コンテンツとカリキュラムの構築を行うことにし,一定の成果を得ることができた。 したがって,当初の計画以上の内容を取り上げるとともに,研究成果は,本学に新設された「教職大学院」の教員研修・教職実践に役立てることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,主に「プログラミング教育」と「情報安全教育」等を中心に展開し,次のような推進方策をもっている。 (1)小学校におけるプログラミング教育:現在の教員研修カリキュラムは,Phase1としている。これは,「プログラミングの現実を知る」をテーマにしているが,今後の研究では,Phase2(プログラミングの将来的諸相),Phase3(プログラミングの変革的諸相)をキーワードとして,新しい時代・社会の情報学教育の研修カリキュラムを構築する。 (2)情報安全教育:現在の教員研修カリキュラムは,Stage1としている。これは,K-12の一貫したカリキュラムの中での展開であるが,今後は,Stage2(K-18),Stage3(K-all)をキーワードとして,情報学の一貫した体系の中での教員研修カリキュラムを構築する。 (3)その他:情報学教育に関するテーマを取り上げて,研修カリキュラム開発を展開する。
|
Causes of Carryover |
当初の計画では,「情報安全教育」を中心的な課題としていたが,これだけでなく,「小学校におけるプログラミング教育」を追加して取り上げた。その結果,文理融合の情報学教育としてバランスのよい構成とすることができたが,当初の計画を超えて教育内容の調査研究が増大することとなった。 そこで,協力者の好意的で積極的な参画,ICTの活用,Webによる情報発信を積極的に行うことによる印刷部数の効率化等により,旅費,謝金,その他(印刷費等)の節約が可能となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の研究成果は,次年度(平成29年度)において,教員研修プログラム(カリキュラム)開発の一環として,特別セッション(ワークショップ)及びフォーラムを開催することで既に準備を進めている。
|
Research Products
(6 results)