2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K04781
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
広石 英記 東京電機大学, 工学部, 教授 (80246652)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プロジェクト学習 / PBL / コンピテンシー / カリキュラムデザイン / ルーブリック / 総合的な学習の時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本に、能動的学習を定着させるためには、米国などのPBLを基軸とした学校のこの学習支援の様々なツールを入手、解析し、日本に適応させたものへ改良する必要がある。 そのために、平成28年度は、積極的に海外のPBL校へ出向き現地調査を行い、各種の資料を入手するとともに、現場教員への聞き取り調査や、プロジェクトへの直接参加も試みた。具体的には、ヨーロッパの先進的教育が展開されているオランダの、フレネスクールやドルトンプランの学校を視察し、教育の「個別化」と「共同化」を達成するために、プロジェクト学習がカリキュラム全体の基軸としてデザインされている学校を視察した。 また、日本でPBLを基軸にした学校づくりをされている長野のグリーヒルズ中学校および和歌山県のきのくに子どもの村学園へも訪問し、プロジェクトの全体的な流れを年間計画の観点から観察した。 尚、プロジェクト支援の各種のツール(ルーブリックなど)や、アドバイザーとしての必要な知見に関しては、私自身が本務校の大学で担当しているPBL科目の中で実際に用いて、その効果を実地に検証に入っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、今まで築いてきた人間関係や人脈を使って、3年間で海外のPBL実施校を25校程度は訪問調査し、多様なPBLの実態の中から、日本の教育課程全体と調和できるPBL型の総合学習を構想したいと考えている。 今年度は、米国のPBL校との日程調整が不調だったために、ヨーロッパのドルトンデンハーグなど、個別学習と協同学習の両立を志向している学校への視察を実施した。そこで行われていたPBLは、従来の教科教育を否定するものではなく、教科教育と強く結びつきながら、教科で習得した知識が、総合のプロジェクトに活用され、プロジェクトで体験できた自律的学習経験が、教科に対する学習意欲を喚起するような、相乗効果の高いもものであり、日本の中学校、高等学校の教科教育と総合学習のカリキュラムマネジメントを考える際に、大変有益な展望を与えるものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、PBLの本場であるアメリカでPBL実施校を急速に展開している教育支援組織エドビジョンとその本拠地ともいえるミネソタニューカントリースクールを、PBLの進化を見届ける意味でも、訪問したい。また、プロジェクト学習の支援ツールとして、最近注目を集めている電子ポートフォリオに関しては、米国のカリフォルニア州のシリコンバレー周辺の学校訪問に挑戦して、最新の資料の入手を試みる予定である。また、そこで得られた知見は、各種学会などで順次公表する予定である。
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Causes of Carryover |
欧州教育視察に関して、当初予想よりも訪問学校数が日程調整不調のために減少し、視察にかかる旅費が、予想を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は、米国のPBL推進校であるエドビジョン系列学校の視察と、シリコンバレーにあるプロジェクト学校の視察を計画中であり、日程調整次第では、1週間を超える視察になる可能性がある。
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Research Products
(9 results)