2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Indicators for Assessing Childcare Workers' Competence in Food and Nutrition Education
Project/Area Number |
16K04786
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Research Institution | Soai University |
Principal Investigator |
進藤 容子 相愛大学, 人間発達学部, 教授 (00259532)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 幼児教育 / 保育 / 食育実践 / 指導力 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,幼児教育保育における「食育実践力」を評価する指標の構築を目指し,評価の視点を得るため「調査A:保育者を対象とした食育実践及び食生活,食知識に関する実態調査」,「調査B:幼児食育研究者を対象としたインタビュー調査」を実施した。調査Aの結果から,食育実践の内容,保育者自身がもつ食に関する知識や意識などについての実態を,因子分析等により把握し,各因子間の関連を考察した。さらに属性に分けた分析により,「食育実践力」の形成プロセスを考察した。調査Bの結果からは,専門家の立場から見た食育実践につながる保育者の資質を考察した。考察の結果,「食育実践力」は知識そのものよりも,そのような知識に興味をもち,知りたいという思いや態度が重要と判断した。そこで,意欲や態度の把握と,評価対象者が評価を通して食育に必要な事柄に気付けることに重点を置いて,調査結果及び分析から得た成果を踏まえて「食育実践力」評価ツールを設計した。本ツールは,食育実践の良否を評価するのではなく,食育に関連する保育者の資質面から評価し,評価を通して保育者自身の気づきを促し,意識の変容が目指せるよう工夫した。 試作した「食育実践力評価ツール」の実効性を確認するため,保育者を対象に自己評価を試行した。その結果,保育者が評価の目的を踏まえて活用すれば,保育者自身に,課題や改善に向けた気付きを促すことが示された。個人だけでなく,保育者集団を対象として実施することにより,食育実践の必要性や方法を共有でき,同僚性を高め,日々の保育から得る経験知の質を向上させ,自己研鑽行動を強化できる環境作りにつながることも期待できる。本研究で開発した「食育実践力評価ツール」は,自己研鑽を強化する研修プログラム開発に活用できるものである。
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