2017 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者のイメージを持たせる教育プログラムの構築
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16K04793
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Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
角野 加恵子 広島文化学園大学, 看護学部, 非常勤講師 (00712366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 久恵 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (90280130)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / イメージ / 看護学生 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
目的は、看護系大学生(以後看護学生とする)が、認知症高齢者のイメージを肯定的に変化させるシナリオを考えビデオ作製による効果的な教材を作成することである。 基礎教育において看護学生が認知症高齢者に対して肯定的なイメージを持ち、患者の立場を理解した尊厳性のあるコミュニケーションをとることは重要である。そのために肯定的なイメージを高める教育として、看護学生が、認知症高齢者に対して否定的傾向にあるイメージを学習することにより認知症高齢者のイメージを肯定的に変化させる教材を作成し、DVDを2事例制作した。2016年度に行った認知症高齢者のイメージ調査では、看護学生は4年生(2.98±0.38)より2年生(2.82±0.41)の肯定的イメージが低い結果が得られた(p<0.01)。そこで、事例1・2共にアルツハイマー病の興奮気味、徘徊のある認知症高齢者とした。調査では、記憶障害や見当識障害は多くの学生が関わっていたことからシナリオに設定した。実習指導者の指導が看護師、教員より有意に高かったので、見本になる指導者を実習指導者とした。「興奮・暴力」のある認知症高齢者と関わった学生の「肯定的変化」群の指導者の指導内容として、「その人が興味を持って楽しいと思っていることを大事にする」、「昔の楽しい話を聞いてみるとよい」などの指導を受けた学生が多かったのでシナリオに活用した。2事例共に、看護学生が認知症高齢者との困難な場面を設定し、カンファレンス場面から学生が効果的な援助方法を考えて行動するようにした。2018年度は、この教材を活用した認知症高齢者のイメージを肯定的に高める教育プログラムを実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は, 調査の分析とDVD制作を行った。教育プログラム実施を平成30年度前期に行う予定であったが, DVD制作が年度末になったため, 倫理審査後の教育プログラム実施は後期予定となった。
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Strategy for Future Research Activity |
目的は、研究者らが作成した教材を用いて行う授業が、看護学生の認知症高齢者のイメージを肯定的に変化させるかを明らかにすることである。 看護学生が、認知症高齢者に対して肯定的なイメージを持つことは重要であり、患者の立場を理解した尊厳性あるコミュニケーションをとる事より、高齢者に安全で安心した看護を提供することに繋がる。2年生にDVD視聴やロールプレイング教育を用いる理由は、病態治療論や老年看護学概論などが教授される時期の看護学の初学者であり、DVDやロールプレイングの場面を見ることで、対象者の感情や学生の感情が分かりやすいと考えたためである。研究方法は、(1)A看護大学の2年生(70名)の希望者に対して、DVD、ロールプレイングを用いた教育方法による1群事前事後テストを行う。研究者が大学に依頼に行き、文書による説明後、希望者は10日後に同意書の記入提出を行う。その後授業当日に授業前調査票の提出を行う。90分授業を2コマ実施、教育後調査を行う。さらにその1か月後に調査を行う。授業は、DVD視聴後グループワーク、ロールプレイングを行い、アセスメントシート、リフレクションシートの記入を行う。(2)研究期間は4月から2019年3月までとする。教育プログラム実施は、10月~11月予定である。(3)調査内容:教育前は、基本属性、認知症高齢者との関わった内容とかかわりの程度、認知症高齢者イメージ・知識・ケア感情、自己効力感である。教育後は、基本属性、認知症高齢者と関った内容とかかわりの程度、教育後の評価として、満足度や理解度、教育目的の達成度等を5段階で求める。3.分析方法:記述統計を行い、教育前調査、教育直後調査、教育1か月後調査3回のt検定を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、DVD2本の製作を行った。平成30年度は、DVD教材を使用して、教育プログラムを計画している。研究代表者には、物品費(消耗品)93,081円, 学会発表、教育プログラム実施(他県の看護大学2回訪問、調査3回)の旅費160,000円, 人件費20,000円, その他に、海外投稿翻訳300,000円, 尺度購入30,000円、通信費10,000円、印刷代60,000円の400,000円。合計673,081円とする。研究分担者は、物品費(消耗品)59,373円, 人件費20,000円, その他100,000円の合計179,373円とする。研究代表者と研究分担者ともに合わせて、総計852,454円とする。
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