Outline of Annual Research Achievements |
目的は, 看護系大学生の認知症高齢者イメージの把握を行い,講義・臨地実習での効果的な教育方法を検討することである。授業や実習で効果的な教育を行うことが認知症高齢者への理解や看護ケアに繋がり,社会が求めている意義は大きい。看護学生2年生と4年生の認知症高齢者イメージに関連する要因を把握するため,質問紙調査を行った。内容は,基本属性,実習体験,自己効力感,認知症の知識,認知症高齢者のイメージである。有効回答は4年生260人(86.7%),2年生251(78.2%)であった。認知症高齢者のイメージの因子分析4因子中4年生の「人柄の温厚性」(p=0.001)や「人間としての尊厳性」(p<0.001),「活動性」(p=0.017)は, 2年生より4年生が有意に高く肯定的であった。4年生の認知症高齢者イメージは, 認知症高齢者の受持ちを通して学ぶことや,自己効力感は肯定的イメージに関連していた。 この結果から,2年生の看護学生が,認知症高齢者に対して否定的傾向のイメージからリフレクションを行う教材と教育方法を開発し,認知症高齢者イメージが肯定的に変化するかを評価することを目的として教育を実施した。易怒性や徘徊のある認知症高齢者のイメージを肯定的に変化させるシナリオを考えDVDを2本製作した。看護学生2年生69名に対して,教育プログラム参加を呼びかけ,DVD視聴やロールプレイングを用いて70分授業を2回行った。調査は, 教育前,教育直後,教育1か月後に行い, 教育参加30名(完了率65.2%)で集計を行った。認知症高齢者イメージ,認知症の知識は有意に上昇した。教育に関する評価では学習到達度調査3.74±0.5,教育後の学習調査3.42±0.41,その内教育への評価は3.58±0.49であった。認知症高齢者イメージの肯定化や知識は,視聴やロールプレイングを活用し有効性が確認された。
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