2017 Fiscal Year Research-status Report
海岸漂着ごみ対策に取り組むエンジニアリングデザイン教育プログラムの開発と実践
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16K04799
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 司 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30300528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 道明 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30509675)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エンジニアリングデザイン教育 / 漂着ごみ / 廃棄物再資源化 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクティブラーニングが目指す「持続可能な開発のための教育」プログラムを構築するために本研究課題の実施に当たり,地域連携、学科混成グループワーク、合宿活動の3つを基軸として教育プログラムを立ち上げ実施した.フィールドワークを行う地域として山形県の離島「飛島」を選定し実施した.飛島での高齢化率が高い事から地域住民単独では不可能であるような,ごみの回収や再資源化を主テーマとし工学的見地から住民の暮らしを支援する解決策を確立していった.教員から複数のテーマや実施を示し,取り組みたいテーマを確立させた。以下のテーマで取り組みを行った.1 効果的荷役運搬デバイスの開発,2 流木炭を利用した水浄化,3海岸清掃装置の試作 である.また,現地活動を実施していく中で漂着ごみ以外の廃棄物活用による地域支援の要望も寄せられた.そこで今後の展開の可能性を調査する為,廃材(間伐材)や廃棄衣類(シルク)を用いた環境浄化の予備試験を行った. 現地での合宿において現地で試作を行い試運転まで実施した.市民に向けての成果報告のため「環境フェアつるおか2017(平成29年9月24日、於鶴岡市),さかた産業フェア2017(9月30日、於酒田市)にて学生による制作物およびポスター発表を実施した。メーカー技術者,自治体関係者はじめ様々な分野の方々と意見交換した.成績評価には以下の基準を用いた.1)プロポーザルにおける一般聴講者・地域関係者の評価,2)プロポーザルにおける担当教員の評価,3)最終報告書,4)担当教員による活動全体の取組姿勢 である. 本プログラムに参画した学生のアンケート調査を行った.「班員皆が協力的であった」,「現場の役に立つ技術を確立することの大変さを学んだ」,「これからしっかり勉強していきたい」等といった今後の学習意欲を高める声が多数であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エンジニアリングデザイン教育を実施する際の3つの基軸(地域貢献、学科混成、地域での合宿活動)を維持しながら進めることができた.漂着ごみ調査を実施し,特に流木、プラスチック容器が多くを占める傾向が数値化できた。学生一人一人の取り組みたいテーマ希望を配慮しながら学科混成型グループを維持して活動できた.学生の取り組みテーマは海岸漂着ごみ対策に対応できる内容であった(1 効果的荷役運搬デバイスの開発,2 流木炭を利用した水浄化,3海岸清掃装置の試作).現地での合宿は、天候不順のため定期船が欠航するなどして期間を短縮したが,どのテーマについてもグループワークの活性度は高かった.学生の主体的活動により市民からの反響も大きかった.市民に向けての成果報告を実施し聴衆者から成果に対して高い評価を得ることができた.本プログラムに参画した学生のアンケート調査からも,今後の学習意欲を高める声が多数であることを確認した.テーマについて学生の関心と一致させることを優先した点は効果的であった.
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Strategy for Future Research Activity |
エンジニアリングデザイン教育の検証と改善を行う. 具体的には教育プログラムの更なる実質化を図る.テーマ活動を始める前に現地視察を行い,現地の人たちとの意見交換を行うことで,地域に対してより貢献できる製作物デザインを行う.これまでの活動により,ごみの回収装置,再資源化・再利用技術,ごみの発生抑制といった考えが現実的であると考え推進していきたい.また漂着ごみ以外の廃棄物問題にも注目し,地域住民の暮らしを支援するエンジニアリングデザイン教育の活動対象を拡大したい.学科混成グループの構築に当たっては単に学生を各班に機械的に割り振りを行うよりも,取り組みたいテーマを教員側から複数提示しそれを解決するための技術的方法の例までを提案した上で進める.これにより学生一人一人がグループ活動の中で自分でどのような貢献ができるかをイメージしテーマ選定にあたることができ意欲的なグループ活動にもつながる.合宿活動についてはその合宿期間中にどのような活動をするのか,どこまでを行えばよいのかを考えるスケジュール作成の時間を確保したい.必要な消耗品や部品の購入についても計画的に進めさせる方法を学ぶようにする.活動を通じて漂着ごみ削減効果,活動の安全性,合宿の管理体制,専門分野の利用状況が向上することを確認する.
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Remarks |
環境フェアつるおか2017(平成29年8月24日,山形県鶴岡市),さかた産業フェア2017(平成29年9月30日,山形県酒田市)において参加市民に対して学生による成果報告を行った.
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Research Products
(9 results)