2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a support program for parents for raising siblings of children with disabilities: Focus on family quality of life
Project/Area Number |
16K04803
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
阿部 美穂子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (70515907)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 障害児のきょうだい支援 / 障害児の家族のQOL / 障害児家族への支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、研究の最終年度であり、研究成果の還元と公開を中心に研究を進めた。 研究協力者・機関と協議した結果、新型コロナウイルス感染症拡大防止への細やかな配慮が継続されている現時点において、対面での実践活動が難しいことを鑑み、当初予定していた、きょうだい児を育てる親に対する支援プログラムのフォローアップセッションを断念し、これまで行った実践研究部分を焦点化して、分析した。 分析から、開発した支援プログラムにおける、きょうだい児を育てる母親同士による「話し合い参加型」活動が、参加者の解放感と同じ問題に立ち向かう仲間意識の獲得、親の価値観ではなく、きょうだい児自身の心情と視点に基づくきょうだい児対応へというきょうだい児育てのパラダイムシフト、親の理想とするきょうだい児像に向かう子育てからの解放と等身大のきょうだい児の育ちの過程に伴走する子育てへの意志をもたらすことが確認された。このことから、きょうだい児を育てる親に対する支援において、親同士が自ら選んだテーマに基づいて話し合う活動を組み込む有効性が示された。 上記の成果を論文化して公開するとともに、作成した論文を含め、これまで研究した成果を整理し、各研究協力機関を訪問し、機関に属する支援者に内容を解説し、研究成果の還元を図った。併せて、協力いただいた保護者への成果報告を依頼し、直接報告に代えた。 一方、論文公開に併せ、きょうだいのための支援活動を実施している様々な団体・個人で組織された「日本きょうだい福祉協会」設立準備室が企画する、一般公開型のオンラインイベントにおいて、本研究の成果をまとめて、発表した。さらに、障害のある子どもの家族向けに保護者自身が編集発行している冊子を用いて、きょうだい支援に関する研究成果を発信し、支援の必要性に関する啓発に取り組んだ。
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