2017 Fiscal Year Research-status Report
小1プロブレム・中1ギャップを改善する接続カリキュラムの開発と実証
Project/Area Number |
16K04811
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三浦 光哉 山形大学, 大学院教育実践研究科, 教授 (10344780)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 接続カリキュラム / 保育所 / 幼稚園 / 小学校 / 中学校 / 小1プロブレム / 中1ギャップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、接続カリキュラム(アプローチカリキュラム、スタートカリキュラム)の開発と適用により、特別支援対象児等が保育所・幼稚園から小学校へ、小学校から中学校へとスムーズに移行できることを実証し、その接続カリキュラムを他地域でも一般化を目指すことである。具体的な取組は、①研究組織の構築と教育・保育現場の調査、②接続カリキュラムの開発と適用、③教員の特別支援教育研修と特別ニーズ児に対する支援計画の作成と実施、④接続カリキュラム」の他地域への導入と一般化、の4点である。 2年次では、以下のような研究実績が得られた。①では、1年次に引き続き研究モデル校園に巡回相談を実施して特別ニーズ児等のスクリーニングを実施したり、保育所・幼稚園・こども園、小学校、中学校における現行のカリキュラムおよび教育・保育内容を調査して現状と課題を把握した。②では、デンマーク国の保育園や小学校等の視察をして「0学年制」の事例を参考にしながら新たな接続カリキュラムに反映させ、『5歳年長児アプローチカリキュラムと小1スタートカリキュラムの20事例』を作成した。そして、それに基づいて、研究モデル校園で実践した。また、学会で中間報告として2つの研究発表と自主シンポジウムを行った。③では、1年次に引き続き教員等に対して「特別支援教育研修講座(30時間)」を企画し実施した。また、特別支援対象児に対しては、個別の支援計画を作成し指導した。④では、接続カリキュラムの効果を検証するために、徳島県の那賀町・海陽町、岐阜県の各務原市の保育園や幼稚園で『5歳年長児アプローチカリキュラムと小1スタートカリキュラムの20事例』を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究を推進するにあたり、研究代表者が運営している山形大学特別支援教育臨床科学研究所と山形県内11市町村教育委員会、山形県外4町教育委員会、研究モデル校園と連携が継続してできている。このため、当該地域の保育所、幼稚園、小学校、中学校への教育支援(巡回相談、教員研修講座、接続カリキュラム作成、個別の支援計画作成など)がスムーズに実施できることとなった。また、1年次の米国カンザス大学、2年次のデンマーク国の保育所や幼稚園等の視察ができ、この先進事例を参考として、『5歳年長児アプローチカリキュラムと小1スタートカリキュラムの20事例』を作成することができた。そして、このカリキュラムを活用しながら研究モデル園の「天童幼稚園」では、公開保育を開催することができた。 さらに、これらの研究実践の取組に関して、日本特別ニーズ教育学会で「5歳アプローチカリキュラムの適用と小1プロブレムの状況」、日本特殊教育学会で「小1プロブレムを防ぐ保育活動の効果と持続」のテーマで研究発表(中間報告)をすることができた。また、日本特殊教育学会で「特別支援教育システム化による学力・不登校等の波及効果」の自主シンポジウムをすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の4つの具体的な取組のうち、①研究組織の構築と教育・保育現場の調査については、1年次に目標達成した。②接続カリキュラムの開発と適用については、接続カリキュラムを開発し試行で取り組むことができた。③教員の特別支援教育研修と特別ニーズ児に対する支援計画の作成と実施については、支援計画の作成を実施することができた。④接続カリキュラム」の他地域への導入と一般化については、山形県外4町において、接続カリキュラムを適応することができた。 本研究において、2年間でおおよその研究は達成することができた。3年次の最終年度では、カリキュラムの適用を通して、カリキュラムの修正を行ったり、その効果を検証していきたい。
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Research Products
(4 results)