2017 Fiscal Year Research-status Report
弱視児童生徒のICTアクセシビリティに関する理論的・実証的研究
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16K04815
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柿澤 敏文 筑波大学, 人間系, 教授 (80211837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 麻央 つくば国際短期大学, 保育科, 助教 (30748603) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 視覚障害 / ICT / 視距離 / 視行動 / 調査 / 読書チャート |
Outline of Annual Research Achievements |
弱視者がICT機器を使用している際の視行動について把握するために、ポイント数の異なる文字を提示した際の視距離の変化について測定し、分析した。その結果、弱視者は3群に分類された。1群はポイントが大きくなるとともに視距離を伸ばすタイプである。すなわち、網膜像の大きさを相対的に保つタイプといえる。2群はポイントの変化に関わらず視距離を一定に保つタイプである。限られた視距離でのみ読みが可能なタイプといえる。3群はポイントが比較的小さい場合には視距離がポイントとともに変化し、一定のポイントを超えると視距離が一定になるタイプである。これらの結果をオランダで開催された国際学会であるVision2017: International Conference on Low Visionにてポスター発表した。 さらに、台湾の弱視者を対象として、ICT画面上の読書材料に対する視行動を把握するための読書チャートを開発し、その妥当性と信頼性を確認し、成果を日本特殊教育学会第55回大会にてポスター発表した。 また、日本の視覚障害者のICT使用状況について、全国視覚特別支援学校在籍者を対象とした調査研究結果に基づいて包括的に把握した内容について、台湾で開催された国際学会である2017台湾視障融合教育50周年慶賀国際学術研討会にて招待講演として口頭発表するとともに、台北市立教育大学にて招待講演を行い、研究成果の紹介を行った。 併せて、理論的検討として、関連海外文献を収集して状況の比較検討を行うとともに、海外研究者より直接情報の収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査的ならびに実証的検討として、データ収集を行い、結果について国内学会発表のほか、国際学会における招待講演の中で紹介する機会をもった。理論的検討を加えるための資料収集も予定通り進行している。 なお、当初は予定していなかった台湾・タイ・スーダン・インドネシアの研究者との共同研究体制が構築されたことから、各国の視覚障害者の状況、特にICT使用の現状について情報収集を進めており、来年度の研究遂行の際に国際比較として検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に則り、弱視対象者への本実験を遂行する。小学部、中学部、高等部など、年齢群を設けて検討を行うとともに、発達的な視点からの分析も実施する。 理論的検討について、収集した文献を精読し、新しい知見の確認・収集を行う。 加えて、台湾・タイ・スーダン・インドネシアの視覚障害者のICT利用の状況について情報収集を進め、国際比較を行う。 研究成果について、日本特殊教育学会、障害科学学会、日本弱視研究会等において口頭発表・ポスター発表のほか、雑誌論文を執筆・投稿し、広く研究内容について公表するとともに、今後の方向性について有識者より意見を頂き、研究を推進する。
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Research Products
(13 results)
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[Book] 障害者心理学2017
Author(s)
太田 信夫、柿澤 敏文
Total Pages
184
Publisher
北大路書房
ISBN
9784762829840