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2016 Fiscal Year Research-status Report

人工内耳装用児の音韻意識形成にかかわるリズム知覚と中央実行系の関連

Research Project

Project/Area Number 16K04817
Research InstitutionTsukuba University of Technology

Principal Investigator

長南 浩人  筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (70364130)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 城間 将江  国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (80285981)
濱田 豊彦  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80313279)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords人工内耳装用児 / 音韻意識 / 中央実行系 / リズム知覚
Outline of Annual Research Achievements

本研究においては、音韻意識の発達に関連する要因として、リズム知覚の能力という非言語的能力を新たに取りあげ、また中央実行系の能力の関与について、これまでの研究で扱った注意の抑制能力に加え、アップデート能力、シフティング能力に広げ、これらの要因の関連を明らかにすることにより人工内耳装用児の音韻意識の発達の心理学的モデルを提案することが目的である。そこで、まず人工内耳装用児の中央実行系における実行機能の能力が音韻意識の能力を下支えする音韻的記憶能力と関連を持つのかどうかを検討した。対象者は、46人の聴覚障害者であった。記憶課題は、リーディングスパンテストとし、その他に非語復唱課題、空間記憶検査さらに実行機能の測定には新ストループ検査を用いた。その結果、リーディングスパンテストの成績と非語復唱課題および新ストループ検査の成績に正の相関が確認された。このことから聴覚障害者の音韻的短期記憶には、音韻ループの機能のみならず中央実行系における実行機能も関連していることが示され、健聴者と同様の処理を行っていることが示唆された。健聴児の音韻意識の発達には音韻的短期記憶の能力の向上に加え抑制等の実行機能の関連も伺えることから、聴覚障害児の音韻意識の発達においても実行機能を含めた個人差の要因検討が必要であるとの示唆が得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、人工内耳を装用した聴覚障害児の音韻意識の発達に関与する要因と要因間の構造の検討を目的とすることである。このため音韻意識の発達に関連する要因として、言語知識や類推能力等の心理学的要因に加え、本研究では、先行研究では取りあげられてこなかったリズム知覚能力および中央実行系の能力を扱う。また提案されたモデルに基づく音韻意識の形成的関与の方法も検討する。本年度では、人工内耳装用児の音韻意識に深い関連を持つ音韻的短期記憶と中央実行系の関係を検討することとし、両者の関連が確認でき、さらにリズム知覚の能力との関連を検討するという方向性が得られた。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、今後、音韻意識の発達に関連する要因として、リズム知覚の能力を取りあげること、また中央実行系の能力の測定範囲を、これまでの研究で扱った注意の抑制能力からアップデート能力、シフティング能力に広げ、これらの要因に加えて先行研究で扱った心理学的要因を含めた分析を行い、人工内耳装用児の音韻意識の発達の心理学的モデルを提案する。またこれに基づく音韻意識の形成関与の方法を検討する。
リズム知覚を取り上げることにより、人工内耳装用児が示した特殊音節の音韻分析の課題のうち、音節分解の困難に対する説明が可能になるものと思われる。特殊音節に対する音節分解には、時間分解能の関与が大きく、時間分解能の発達にはリズムの聴覚的入力経験が関与すると考えられる。人工内耳は、機種により時間分解能の性能に違いがあり、このことが人工内耳装用児のリズム知覚能力の発達に関連している可能性も考えられる。そこで人工内耳装用児のリズム知覚能力を測定し、音節分解の発達と関連しているかどうかを検討する。
中央実行系の機能全般を取り上げることは、音節抽出課題の分析過程の心理学的な説明を可能にするものと思われる。音韻抽出課題では、課題語の音節分解に加え、対象者は、語頭音、語中音、語尾音のうち実験者によって指定された音節に注意をシフトさせ、他の音節に対しては意識の抑制を行うことが求められる。さらには解答を終えた音節と解答を求められる音節に対する情報をアップデートする必要がある。これらのことから、中央実行系の注意抑制、アップデート能力、シフティング能力と音韻抽出能力には相互に関連が推察され、この点を検討する。

Causes of Carryover

購入予定であった心理検査の購入ができなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度において心理検査を購入して使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Factors related to Reading Span Test Results for hearing-impaired students2017

    • Author(s)
      Hirohito Chonan & Takashi Sawa
    • Journal Title

      Journal of Special Education Research

      Volume: 6 Pages: 55‐63

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2018-01-16  

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