2016 Fiscal Year Research-status Report
小中学生の読書行動把握と読書困難児に対する指導法の研究
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16K04818
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
原田 浩司 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (40738168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 恭太 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00125808)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / 特別支援教育 / 読書困難 / 学習障害 / 視線追跡 / 眼球運動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小中学生に対して「読み時間と誤読数」に加えて「読み上げ場所と注視場所の関連」「眼球運動量の大きさや滑らかさ」「理解度」の4要素を組み合わせて、読みの行動を数量的・客観的に明らかにし、指導に役立てることである。プログラムの作成は主に文章の部分毎の読み時間を測定できる「よもーヨ」に対する機能追加として実施した。 今年度の前半は、「理解度」の測定機能をプログラムに追加した。後半は「視線追跡装置」を使用した「視線追跡機能」を組み込み定量的な読書行動の測定を可能にした。また別途「眼球運動測定」プログラムも開発した。さらに、調査対象学年は、読みの能力差が顕著になる小学校3年生とし、理解度計測用の文章と設問を作成した。その際、使用する漢字は2年生までのものとし、文章の難易度は平易なものにした。理解度調査用の設問は5問準備し、解答方式は選択式(3択)とした。文章・設問は初見でも十分理解できるものとした。 今年度の調査対象者は、同一市内小学3年生124人であり、6月に3校、7月に2校、11月に1校、12月に1校実施した。その際、各学校の小学3年生全員を調査対象とした。読みの困難さのある児童だけでなく、さまざまな能力差のある通常学級における児童の読みの実態を正確に計測するために有益な方法であると考え実施した。 また、「ヒトを対象とした研究に関する倫理審査」に関しては、宇都宮大学学長に承認を得た上で、「読書行動調査に関する同意書」「学校長・教員用説明書」「児童・生徒用説明書」を学校長宛に送付し承認を得てから調査を実行した。 今年度の実績としての最大の収穫は、Windowsパソコンでの作業を「視線追跡」「眼球運動量」「理解度(設問)」の機能組み込みと機能検証が遂行できたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的であった「視線追跡」「眼球運動量」「理解度(設問)」のPCへの機能組みと、計測用文章と理解度調査用の設問作成は完了した。 さらに、29年度の目標のうち100名を超える被験者の計測は既に実施済みで、その結果について教育および工学・医療的な機能検証を開始した。 以上の理由から本研究は当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は本研究の第一段階として同一市内7校の小学校3年生を対象に検証実験を行ったが、今後は標準となるデータを得るために、県内外の多様な地域の学校及び複数学年において多数の計測を行う予定である。また、多量のデータ集積をもとに、児童生徒の読書行動調査の特性分類を行い、標準的能力を明らかとするが今後の研究方針である。
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Causes of Carryover |
今年度実施した実証実験は、同一市内小学校7校いずれも小規模校であったのでPC1台を購入して行った。そのため、物品費の一部に残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は大規模校での実証実験を想定しているためPC台数を増やす予定である。次年度使用額70,792円はPC購入費の一部に使用する。
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Research Products
(19 results)