2017 Fiscal Year Research-status Report
小中学生の読書行動把握と読書困難児に対する指導法の研究
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16K04818
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
原田 浩司 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (40738168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 恭太 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員教授 (00125808)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 読書 / 読解 / 視線追跡 / 客観評価 / 数量評価 / 発達障害 / 学習障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は小中学生に対して「読み時間と誤読数」に加えて「読み上げ場所と注視場所の関連」「眼球運動量の大きさや滑らかさ」「理解度」の4要素を組み合わせて、読みの行動を数量的・客観的に明らかにし、指導に役立てることである。 調査対象学年は、読みの能力差が顕著になる小学校3年生とし、宇都宮大学教職大学院において計測用文章の作成と理解度調査用の設問を作成した。その際、使用する漢字は2年生までのものとし、文章の難易度は平易なものにした。理解度調査用の設問は5問準備し、解答方式は選択式(3択)とした。文章・設問は初見でも十分理解できるものとした。 今年度は、「Tobii EyeX Controller」を使用した昨年度実施した栃木県O市5校150人に加え、今年度は新たに栃木県内4市町と県外の3小学校を含めた7校350人に調査を実施し、合計500人分のデータ分析を開始した。これは、調査対象を広げることで、都市部・市街地・農村地域・へき地(山村・離島)などの地域性の特徴を明らかにすることを可能にするためである。 調査した各校へは視線と解答の状況を「報告書」としてまとめ、説明と同時に児童に関する読書と解答時の傾向についての情報を共有した。この報告書の作成により、学校間の差異があることが認められた。詳細については今後の研究課題とする。調査実施の際、「ヒトを対象とした研究に関する倫理審査」は宇都宮大学学長に承認を得た。「読書行動調査に関する同意書」「学校長・教員用説明書」「児童・生徒用説明書」は学校長宛に送付し承認を得た上で調査を実行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
視線動き量の解析プログラムを作成し、読書時と問題解答時の視線動きを数量的に把握可能とした。 読書時および問題解答時の視線の動きが多様性を持つことを確認した。当初の計画より調査人数が増加したのは、学校現場からの高い評価が他の地域の学校間に広がったことによる。その結果、調査学校数12校、調査人数500人という多量のデータ収集につながった
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Strategy for Future Research Activity |
読書時および問題解答時の視線動きの多様性と読書・読解能力の関係を明らかにすることである。また、各学校や地域の特徴なども併せて分析していく。
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Causes of Carryover |
消耗品に余裕があり残額が出た。その分は次年度に活用する予定である。
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Research Products
(18 results)