2017 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害学生に対する合理的配慮の提供方法に関する実践的研究
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16K04826
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
青柳 まゆみ 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (40550562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 愛美 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (60447258)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 視覚障害学生 / 合理的配慮 / 多機関連携型支援 / テキストデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、視覚障害のある学生の学びを保障するためには適切な合理的配慮の提供が不可欠であり、その実現には多機関連携型支援の充実、及び支援技術の向上が深く関わっているとの視点に立ち、①視覚障害学生に対する支援に関する実態調査を通して、合理的配慮の基礎となる考え方や具体的な支援内容・方法、課題等を明らかにすること、②大学と連携して視覚障害学生の支援を行っている各機関の関係者に対する調査を通して、多機関連携型支援体制の有効性及びその構築に必要な諸条件を明らかにすること、③テキストデータ化を中心とした支援技術の質的向上を目指した、教職員・支援学生等向け研修教材を提案することの3点を目的としている。 H29年度は主として、1.海外の大学における障害学生支援の実態調査、2.多機関連携型支援の現状と課題に関する予備調査などを実施した。 1.ポーランドにおける障害学生支援 ルブリン・ジョンポールⅡカトリック大学(ポーランド)の視察を行った。ポーランド有数の盲学校訪問、視覚障害学生との懇談などを通して、充実した触図教材の提供を始めとした支援体制の実態を確認した。また、同大学内で開催されたワークショップにおいて日本における視覚障害学生支援の概要を報告し、関係者との有意義な意見交換を行った。 2.多機関連携型支援 学外リソースの関係者および視覚障害のある卒業生に対する調査に関連して、調査内容・項目、具体的な調査対象等について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査研究のための情報収集・予備調査、海外の大学視察、テキストデータ化の方法分析などを、研究計画に基づき予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
視覚障害のある卒業生、学外の点訳団体等に対する本調査を実施する。 また、先進的な支援実績のある大学への訪問調査による課題の整理を継続する。 さらに、レイアウト情報や図表などの視覚的表現を多く含んだ資料のテキストデータ作成方法など、多様な支援技術を網羅した研修プログラムを作成し、大学の支援担当者を対象とした研修会を実施し、内容の評価を求める予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)インタビュー調査等の未実施により、繰越金が生じた。調査対象の選定は概ね完了しているが、調査時期を年度内に設定することが困難であり、H30年度に行うこととなった。 (使用計画)国内におけるインタビュー調査旅費、データ分析のための謝金、成果発表費等に充てる予定である。
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