2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on post-school career education for children with SMID-MCDG
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16K04827
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
菊池 紀彦 三重大学, 教育学部, 教授 (20442676)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 超重症児 / 学校教育修了後 / 教育支援の課題 / 調査 / 教育的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
超重症児の学校教育修了後の課題に関する調査及び教育的支援を実施した。概要では調査について報告する。全国350の肢体不自由・病弱の特別支援学校に対し、①自立活動において実施した指導内容、②超重症児が学校を卒業した後、特に役に立つと予想される指導内容、などについて調査を実施し、74校から回答を得た。 ①について、教育的支援実施の有無の偏りを明らかにするために、脳機能障害の程度別、医療介護度別、担任教師の指導経験別にχ2検定を実施した。その結果、医療介護度別において「障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服するための意欲に関すること」「感覚や認知の特性についての理解と対応に関すること」「感覚の補助及び代行手段の活用に関すること」に有意差が認められ、いずれも超重症児群より準超重症児群の方が実施率が顕著に高かった。 ②について、将来役立つと予測した人数の比率の偏りを明らかにするために、脳機能障害度別、医療介護度別、担任教師の指導経験別にχ2検定を実施した。その結果、脳機能障害の程度別の分析では「生活のリズムや生活習慣の形成に関すること」「コミュケーション手段の選択と方法に関すること」に有意差が認められた。前者はコミュニケーション可能群より困難群の方が予想した人数は有意に多かった。後者はその逆であった。医療介護度別の分析では「集団への参加の基礎に関すること」に有意差が認められ、準超重症児群より超重症児群の方が多かった。担任教師の指導経験別では「コミュニケーションの基礎的能力に関すること」に有意差が認められ、指導経験年数短群よりも長群のほうが多かった。これらの結果から、担任教師は自立活動の指導内容の項目を複数選択し、指導内容を構成していること、発語以外の何らかの手段で自分の意思を表出することや在学中に集団への参加をすこしでも経験しておくことが将来に役立つことが示唆された。
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