2017 Fiscal Year Research-status Report
後期学齢期にある人工内耳装用児の心理・社会的発達に関する研究
Project/Area Number |
16K04846
|
Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
齋藤 友介 大東文化大学, 文学部, 教授 (50297082)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 淳 東京医科大学, 医学部, 教授 (00224808)
白井 杏湖 東京医科大学, 医学部, 講師 (10626279) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 人工内耳 / 学齢期 / 心理適応 / 特別支援教育 / 難聴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は後期学齢期にある人工内耳(以下、CIとする。)装用者の教育環境の整備や指導法の改善に寄与する、心理・社会的発達の解明を主眼としたものであり、研究は横断的検討と縦断的検討の2つのアプローチにより計画された。 具体的なテストバッテリーは、学級における授業理解や諸活動への参加を評価する「日本語版聴覚障害生徒向け学級参加尺度(JCPQ)」(齋藤ら、2014)と「認知されたコンピテンス尺度」(桜井、1983)に含まれる学習コンピテンス、抑うつ関連指標(「バールソン児童用抑うつ性尺度:DSRS-C」)から構成した。 今年度は主として2016年度に採取した横断データ(概ね90例)の解析を行うことにより、人工内耳を装用する小学校高学年から大学生の年齢にある難聴者の心理適応および社会関係性に関わる成績の発達変化について解明を行った。加えて、前回の科研費による研究課題(「人工内耳装用児の学力と学校・教育場面における機能的アウトカムに関する研究」課題番号:24531265、基盤研究C)において、既に中学生時点において評価を行った生徒(概ね20例)について、高校生時点にての再評価を行い、中学時から高校時にかけての心理・社会的発達についての縦断的検討を実施した。 これらの分析より得られた知見を、特別支援教育に関連した国内外の学会(スコットランドのインクルーシブ教育における国際会議と日本特殊教育学会台55回大会、於:名古屋市)にて演題発表するとともに、その成果を論文(4点)にまとめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度においては研究組織の一部に変更を行ったため、当初、縦断的アプローチにより追跡的に実施する予定であった面接調査の遂行に若干の遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度当初より新たな研究組織のもとで調査を遂行できるよう、医療施設の研究倫理委員会にて本研究課題の実施に関する審査を受け、委員会による許可が得られた。こうした準備作業を踏まえ、2018年4月より、既に新しく追加された研究フィールドにて面接調査を開始している。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた縦断研究が研究組織に関わる諸般の事情により実施できなかったため。こうした遅延を解消すべく、既に2017年度末に研究組織の変更を済ませており、2018年度は大阪大学医学部附属病院にて、新たな学齢人工内耳装用者を対象に、7月~9月および12月~2019年1月に集中して、概ね70例の面接調査を実施する予定である。
|
Research Products
(6 results)