2016 Fiscal Year Research-status Report
社会性の発達に困難を抱える子どもの早期発見・支援と特別支援教育への移行課題
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16K04849
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
別府 悦子 中部学院大学, 教育学部, 教授 (60285195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 正一 中部学院大学, 教育学部, 教授 (40105060)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳幼児健診 / 就学時健診 / 自閉スペクトラム症 / M-CHAT / 早期発見 / 早期療育 / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年~27年度科学研究費補助金研究(課題番号:25381327、研究代表者:別府悦子)では、自閉症などがあり、社会性の発達の困難を抱える子どもの早期発見に、自治体の1歳6か月児健康診査(以下、健診と記す)が有効であり、支援の必要な子どもの中で乳幼児期に姿勢運動発達に課題がある等の所見が見いだされた。本研究では、それを継続、発展させ、①社会性の発達に困難を抱え支援対象となった子どもの就学前期までの発達の検討、②支援対象となった子どもの早期からの発達支援の効果の検討、③支援対象となった子どもの特別支援教育移行への課題の検討、を行うことを目的とする。具体的には、(1)支援が必要だとされた子どもの追跡調査を行うことにより、乳幼児健診におけるM‐CHATを活用したままごと遊びの観察の有効性を検証する。(2)支援が必要だとされた子どもの園や家庭での生活行動、療育・保育・幼児教育の集団の中での行動、就学時の発達状況と健診における項目との関連性を検討する。(3)対象事例の発達を前方視的あるいは後方視的に分析し、発達連関や発達構造をふまえて、どのような援助方法が有効かを検証する。(4)学校教育との接続の課題を、子どもの特徴に即して検討する。(5)支援の必要な子どもの乳幼児健診や発達相談、子育て支援、および特別支援教育への移行に活用できるツールを開発する。 本年度は、こうした研究目的および研究計画にそって、対象自治体の乳幼児健診データの分析を進める一方で、2016年度に就学時健診を受診した子どもの保護者全員対象に、質問紙調査を行った。現在そのデータを入力し、分析を行っている最中である。 こうした研究の成果を日本発達心理学会第28回大会において、自主シンポジウムを実施し、公表した。また、当該自治体の乳幼児健診の先進性や研究の成果を全国的雑誌や地元新聞のコラムに執筆し、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究の対象自治体の協力が得られ、就学時健診を受診する子どもの保護者への質問紙調査を実施できることになり、回収率も高率であった。引き続き次年度も就学児健診での質問紙調査を実施するよう依頼している。このように特別支援教育への移行に向けての前方視研究は順調に進展しているといえる。また、引き続き後方視研究についてのデータ分析も進めている。これらの研究成果を随時公表しているが、学会などでの反響や他自治体との研究交流の依頼も受けている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は引き続き、共同研究対象の自治体との協力のもと、2017年度の就学時健診を受診する子どもの保護者への質問紙調査を実施する予定であり、関係職員との打ち合わせを入念に行う。こうしたデータの集積を行いつつ、すでに分析を進めている乳幼児健診のデータと就学時健診、その他のデータおよびその関連を分析し、前方視的、または後方視的研究を行う。このように当初の研究目的および研究計画に沿って、2年目の研究を推進していく。
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Research Products
(6 results)