2017 Fiscal Year Research-status Report
普通科高等学校における特別な支援を要する生徒への合理的配慮提供システムの研究
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16K04852
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Research Institution | Graduate School of Health Care Science, Jikei Institute |
Principal Investigator |
岡 耕平 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 准教授 (90466863)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 合理的配慮 / 高等学校 / 発達障害 / 知的障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は普通科高等学校において特別な支援を要する「医学的診断のない生徒」に対し,合理的配慮を行うための教員チーム を組成するための方法を考案することである.今年度は前年度から引き続き(A)教員を対象とした合理的配慮を提供するための組織づくりプロセスの検討,そして(B)生徒を対象とした 困り感の解消に向けた認知機能アセスメントと支援技術による学習成績向上の検討,の2つのアプローチを実施することになっていた.(A)については実際の教員との面談や生徒との面談を通じて得られた知見をまとめ,「教員のための学習支援指導ガイド(普通科高等学校向け)」(A4で17ページ相当)を自身のウェブサイトで公開した( http://okakohei.com/guide.pdf ).ウェブサイトで公開した理由は,本研究で得られた知見が広く一般の高等学校(および小中学校)においても有用と考えられたためと,公開が早い方が良いと考えたためである.面談で得られた「合理的配慮を提供するための組織づくりプロセス」については,次年度にさらにデータを加えて成果をまとめる予定ある.(B)については,面談に至る生徒の個別性が高いため,単純に他者間を比較できないものの,面談の人数は増加している.また,個人内で面談及び支援前後での自尊心の経年変化について少数ながらデータが取れたため,こちらはケース報告として論文化するための準備をしている.なお,研究の副次的成果として,高等学校中学校在学年齢の不登校生徒・児童に対する学習支援も実施することになり,次年度学会で研究成果を報告する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象となる生徒の抱える問題の個別性が非常に大きく,単純に比較できない点と全体として評価するにはデータ数が得られない点から進捗は遅れていたが,個別事例の研究として取り組みを見直すことで,進捗は概ね順調に進展している.次年度が最終年度であるため,成果をまとめ報告できるようにする.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度であるため,これまでに得られたデータと新たに得るデータを総合し,学会発表あるいは論文誌への投稿を準備する.研究で得られた生徒が抱える問題について,個人差が大きく,その内容のカテゴリーおよび質も大幅に異なるため,数年関わったケース報告としてまとめるように研究計画を変更した.最終年度では変更した計画に沿って成果をまとめる予定である.
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Causes of Carryover |
(1)研究成果を報告することが遅れており,学会報告等の旅費が計画通り発生しなかった点,(2)大量のデータを取ることから個別事例の分析に計画を変更したためにデータ入力および作業用の人件費が使われなかった点,(3)本年度購入予定であった知能検査バッテリーが発売されず,購入を待っている点,の3点から使用額が想定より低くなった.次年度は(1)(3)を遅れて執行する予定である.
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Research Products
(5 results)