2018 Fiscal Year Research-status Report
メンター機能を活用した自閉症幼児の家族への早期支援プログラムの開発と効果評価
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16K04860
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
柳澤 亜希子 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, インクルーシブ教育システム推進センター, 主任研究員 (10435282)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自閉症 / ペアレント・メンター / 家族支援 / 幼児期 |
Outline of Annual Research Achievements |
①特別支援学校(知的障害)での実践研究:就学前親子教室での親子活動と別途、実施されている「保護者講座」を参観した。担当教諭との活動の振り返りと保護者への事後アンケートを基に、本活動の意義と効果を検討した。初回は、保護者の注意は我が子に注がれ、保護者同士が関わり合う姿は認められなかった。しかし、活動回数を重ねるごとに、保護者同士の関わり合いが増えた。当活動の担当教諭は自身も障害のある子どもの保護者であり、専門家としての視点と障害のある子どもを子育てする立場で保護者を支援してきた。保護者の事後アンケートには、「安心して過ごすことができる」「気分転換になる」等の肯定的な感想が寄せられた。同じ立場にある先輩保護者である担当教諭の参加保護者に対する共感性、本活動を通じての我が子の成長、仲間の保護者とのつながりが相互に関連し、参加保護者にとって意義のある活動になったと考えられた。 ②ペアレント・メンターへの聞き取り調査:ペアレント・メンター活動とは、障害のある子どもを養育している保護者が、同じ立場の保護者を支援する活動である。同じ立場の保護者が支援に携わることの意義、そして、支援する側(ペアレント・メンター)にどのような効果がもたらされるのか、また、この活動を推進していくために今後、必要な支援は何かを明らかにするために、ペアレント・メンター活動を行っている保護者に聞き取り調査を行った。2018年10月から2019年5月にかけて、14地域の計107名(協力予定人数)のペアレント・メンターを対象に聞き取り調査を行っている。本調査では、幼児期の自閉症のある子どもの保護者からの相談内容、ペアレント・メンター活動で困ったことや良かったこと、活動を通じての自身の成長や変化、円滑に活動を進めていくために必要な支援体制や資源等の計13項目について尋ねた。収集されたデータの詳細な分析は、これからである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは研究の進捗が遅れていたが、研究協力機関が確定して定期的なデータ収集が可能となった。これまでの研究の進捗の遅れと本研究の実現性を鑑み、また、「メンター機能」の明確化とその意義を明らかにするために、ペアレント・メンター活動を行っている保護者を対象に聞き取り調査を行うことに計画を変更した。調査の実施に当たっては、特定非営利法人日本ペアレント・メンター研究会理事と都道府県市のペアレント・メンター事業の窓口(親の会、発達障害者支援センター、行政)の協力を得ることができたことで聞き取り調査を円滑に進めることができた。本調査は2019年5月で完了する予定であり、計107名(最終協力予定人数)のペアレント・メンターのデータを収集できる見通しであり、これまでの研究の遅れを取り戻すことができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、昨年度から実施しているペアレント・メンターへの聞き取り調査を5月まで実施する。収集した聞き取り調査のデータの分析を進め、「メンター機能」を高めていくために支援に携わるペアレント・メンターに求められることは何か、また、ペアレント・メンター活動を支え推進するために必要な体制、ペアレント・メンターに対して求められる支援について明らかにする。加えて、研究協力機関での就学前親子教室での実践研究を次年度も継続し、聞き取り調査で得られた結果を踏まえて、幼児期の自閉症のある子どもの家族への支援プログラムを検討する。 聞き取り調査の分析を迅速に進め、研究論文にまとめる。また、次年度に開催される日本自閉症スペクトラム学会において、今年度の研究成果の発表を予定している(発表確定済み)。
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Causes of Carryover |
聞き取り調査を次年度の5月まで実施する。このため、調査対象地域に向かうための旅費(宿泊費を含む)、聞き取り調査協力者の調査会場までの旅費、収集した聞き取り調査のデータ分析に要する研究協力者への謝金、今年度の研究成果を次年度の学会で発表することが確定しているため、その旅費と協力者である発表者の旅費及び謝金として使用する。また、当初想定していたよりも多くの地域と保護者が調査に協力してくれたため、調査結果を報告・還元するために要する費用として活用する。
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Research Products
(1 results)