2017 Fiscal Year Research-status Report
コロイド状半導体量子ドットにおける増幅キャリア抽出方法の新開発
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16K04878
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小田 勝 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30345334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 久雄 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 講師 (70274305)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 量子ドット / キャリア増幅 / 微小共振器 / 太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
1つの光子の照射により、量子ドット内に多数個のキャリアが生成されるコロイド状の半導体量子ドットは、そのキャリア増幅現象により、次世代の超高効率太陽電池材料として注目されている。ただし、増幅したキャリアは量子ドット内で互いに衝突する、または外部電極に伝搬するまでに捕獲されることにより熱として消失するため、増幅分のキャリアを抽出することが現状では困難である。本研究では、量子ドット内で増幅したキャリアを、共振器構造を備えた素子を利用することにより高効率に取り出すという、新しいキャリア抽出法の開発に取り組む。その開発に向け、本年度は下記三項目を実施した。 一項目は量子ドット合成法の改良である。昨年度は、高効率なキャリアの増幅と、その高効率な抽出が期待できるPbS量子ドットの合成法の開発を行い、不純物発光の無い高品質な量子ドットが合成できたことを示した。本年度はその量子ドットの発光の量子効率を向上させるため、量子ドットの周囲にCdS薄膜を形成したPbS/CdSコア・シェル型量子ドットの作製法の開発を進めた。シェルの形成により発光の量子効率が約5倍増大することを実証した。 二項目は本課題研究で提案するキャリア抽出法の実現に向けて独自にデザインした素子の作製と評価である。作製法の改良と工夫を重ねた結果、共振器の性能の指標であるQ値が3倍向上して約300となった。最終年度までに目標とするQ値500を得る見通しを得た。 三項目は光子増倍法の有効性の検証である。光子増倍動作が働くためには、上記の素子にて、量子ドットの発光寿命が高速化される必要がある。高速化を確認するための光学計測系の構築並びに光学測定を行い、Q値の向上に連動して高速化効果が得られることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画通り研究を進めている。ただし現時点では、開発中の素子にて、計算上期待できるほどの効果が得られていない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿った素子の改良を進めるとともに、設計方針の異なる素子の作製とその性能評価も並行して行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)得られた実験結果に応じて、本年度予定していた一部の実験と、次年度に行う予定としていた一部の実験の、実施順を入れ替えた。それにより若干の次年度使用額が生じた。 (使用計画)予定する実験を全て遂行すると、来年度末時点での残額は0になる。
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Research Products
(8 results)