2016 Fiscal Year Annual Research Report
光刺激に応答し分子を放出するナノチューブの創製とその応用
Project/Area Number |
16K04892
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
秋山 元英 中央大学, 理工学部, 助教 (90467697)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノチューブ / 分子放出制御 / ナノキャリアー / 金ナノ粒子 / 交互積層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、金ナノ粒子(AuNP)層およびDNA層を有する多層構造のナノチューブ(AuNP-DNA NT)を合成し、AuNPの光熱変換能によるDNAの熱変性を誘起することでDNAや抗がん剤ドキソルビシン(Dox)を放出させるシステムの構築を目的としている。本年度においては(1)AuNP-DNA NTを合成しその詳細な構造を解析するとともに、(2)光照射下におけるAuNP-DNA NT からのDox放出促進を確認した。 (1)AuNP-DNA NTの合成および構造解析 多孔性ポリカーボネート膜を用いた鋳型内交互積層法により、AuNP-DNA NTの合成を行った。クエン酸還元法により調製した粒径 40 nmのAuNPおよびポリエチレンイミン、サケ精液由来DNAを交互に積層後、鋳型を溶解除去することでAuNP-DNA NTを得た。走査型電子顕微鏡観察により、均一な中空管構造をもつNTの形成が確認された。また、透過型電子顕微鏡観察において、AuNPが高密度に積層されている様子が観測された。 (2)光照射下におけるAuNP-DNA NT からのDox放出促進 Doxを結合させた Au-DNA(Dox) NT分散液に620-700 nmの光を照射し、蛍光スペクトル測定からDoxの放出率を算出した。その結果、光照射によりDoxの放出が約20%促進されることが明らかとなった。また、Au-DNA(Dox) NTでがん細胞を処理し光照射を行うことで、2倍の濃度のDox溶液で処理した場合に匹敵する抗がん活性を示すことが確認された。
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Research Products
(2 results)