2016 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質分子間相互作用の力学変調と高分解能イメージング
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16K04908
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 雅祥 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (10346075)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高圧力顕微鏡 / 水和 / 分子間相互作用 / 細胞骨格 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、等方的な力学作刺激である圧力を用いて細胞内で働く分子機械を操作する事で、細胞の形態や活性などを操作できる新しい研究手法を開発することを目的としている。平成27年度の取り組みにより下記の成果を得た。(1)高圧力顕微鏡法の装置、及び、取得された動画の解析を簡便に実施できる手法を開発した。特に動画解析では誰もが使える汎用性の高い仕様となっているので、幅広い研究者に利用していただけると思われる。(2)高圧力チャンバーに内挿できるミニチュア培養器を開発した。このミニチュア培養器は安価に製作できるため、使い捨てが可能である。さらに誰もが簡便に利用できる仕様となっている。そのため、あらかじめ多数のミニチュアチャンバーに細胞を培養しておくことができる。1台の高圧力チャンバーに、多数のミニチュアチャンバーを入れ替えながら実験することで、実験効率を飛躍的に向上させることができた。(3)高圧力下で観察した人工細胞内に封入した微小管について、生細胞ならびに抗がん剤で安定化させた微小管の実験結果と比較し、圧力による重合ダイナミクスの変化を調べた。その結果、実験系によらず微小管の重合能が高圧力下で直接弱められていることが示唆された。高圧力下で見られる微小管の脱重合反応は、主として両端からのチューブリン分子の解離反応であり、微小管の中央部分での切断により微小管が短縮される頻度は少ないと推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高圧力顕微鏡法を用いた効率的な実験を実施するための1つの技術改良に成功した。新規で高圧力チャンバーを開発する必要がなかったので研究費用は大幅に節約することができた。次年度以降の研究に活用する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の取り組みで構築した実験手法を用いて、従来までとは異なりより難易度の高い細胞を用いた実験を実施する。
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Causes of Carryover |
既存の部品などを組み合わせることで研究を実施できたので、新規に装置を開発する必要が無かったから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に開発したミニチュア培養器を利用して、培養細胞を用いた実験に取り組む。
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Research Products
(13 results)