2016 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ流路デバイスによる薬剤内包多糖類ハイドロゲル粒子の形態制御
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16K04916
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西迫 貴志 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (10431983)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノマイクロ化学システム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は以下を実施した. (1)球状ゲル粒子作製用マイクロ流路の作製:アルギン酸ナトリウム(Na-alginate)液滴を生成する上流部の流路と,真球状とした当該液滴の周囲にカルシウムイオン(Ca2+)含有ナノエマルションを供給し,合一させるための下流部の流路から成る,球状アルギン酸カルシウム(Ca-alginate)ゲル粒子連続生成用マイクロ流路の作製を行った.高い化学的安定性から,流路基板として合成石英ガラスを選択し,機械加工あるはレーザ加工によって微細溝の加工を行った後,熱溶着にて密封されたマイクロ流路を形成した.ガラス流路はシラン化処理剤により疎水化して使用した.その他PDMS製マイクロ流路も作製した. (2)球状ゲル粒子の作製と形状評価:上記のマイクロ流路を用い,球状ゲル粒子を作製した.分散相としてNa-alginate水溶液(2wt%)にモデル薬剤を添加したもの,連続相としてコーン油に界面活性剤を加えたものを用いた.液滴生成部と生成した直径100-200umのNa-alginate液滴に対し,下流域にてゲル化反応液を接触させ,真球状ゲル粒子を作製した.作製したゲル粒子の光学顕微鏡による観察および乾燥ゲル粉体の電子顕微鏡観察を行った. (3)UV-Vis分光測定による球状ゲル粒子からの薬剤徐放性評価:乾燥ゲル粉体からのモデル薬剤の放出挙動をUV-Vis分光測定によって評価した.石英製キュベットに入れて近紫外~可視光領域における吸収スペクトルを測定し,別途得た校正曲線との比較により薬剤濃度を算出し,放出挙動の経時評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
球状ゲル粒子生成用マイクロ流路の作製,作製したデバイスを用いたゲル粒子の作製試験,および作製したゲル粒子からの徐放性評価に至るまで,順調に行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定どおり,平成29年度は非球状のゲル粒子の作製および薬剤徐放性評価に取り組む.
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Research Products
(5 results)