2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on low-cost micropreconcentrator using polymer microstructure for early cancer diagnosis
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16K04919
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
李 相錫 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (50625233)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ダブル転写法 / マイクロ予備濃縮器 / 呼気分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度には、PDMSとNOA63の2つのポリマを利用するダブル転写法によるマイクロ構造体を有するマイクロ流体デバイスの作製例はあまりないため、平成29年度に確立した作製プロセスの信頼度の確立が必要である。そのため平成29年度に確立した作製プロセスの再現性の確認実験をまず行った。実験には設計した形状と配置がそれぞれ違う5種類のSiベースのマイクロ予備濃縮器全てにおいてダブル転写法を応用し、5種類のポリマベースのマイクロ予備濃縮器を得ることを目標とした。作製プロセス中Siベースのマイクロ予備濃縮器をPDMS樹脂に浸す工程と、PDMSベースの凹型のマイクロ予備濃縮器をNOA63樹脂に浸す工程で気泡の影響を防ぐためゆっくりデバイスを入れる必要があり、デバイスの作製時間がかかる(当工程は数時間かかる)問題と少しノウハウ的な要素があるが、問題なく5種類のNOA63からなるポリマベースのマイクロ予備濃縮器が得られた。さらにSiベースマイクロ予備濃縮器の構造体との寸法を比較すると、構造体の寸法(高さと幅)はSi構造体よりポリマ構造体が数μm小さくなっていたが、デバイスの性能に影響がないと判断する。 次に作製されたポリマベースのマイクロ予備濃縮器の性能を確認するためガス吸着と分析実験を行った。5ppbのトルエンガスサンプルをポリマベースのマイクロ予備濃縮器に吸着させ、ガスマスクロマトグラフィーを用いて分析を行った。その結果、NOA63樹脂の成分とトルエンが同時に検出された。ガスサンプルの脱着のためにはデバイスを300℃に加熱するが、その際にNOA63からも化学成分が出ることがわかった。そのためSiベースマイクロ予備濃縮器におけるガス脱着温度(300℃)をポリマベースマイクロ予備濃縮器に適する温度に変える課題が明らかになった。今後本問題を解決するため加熱温度条件を見直す予定である。
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