2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K04920
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
竹井 敏 富山県立大学, 工学部, 准教授 (90580069)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リソグラフィ / 植物高度利用 / 次世代農資源活用 / ナノインプリント / ガス透過性金型 / ポーラス材料 / 多孔質化 / レジスト |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノインプリント法は、既に実用化されているコンパクトディスクやディスプレイ用反射防止モスアイフィルム用途以外にも、半導体やMEMS・NEMS等の試作チップ、特定ウィルス検査分析フィルムや分離シート等のバイオ分析シート、及び太陽電池用表面撥水性汚れ防止シート等への最先端電子デバイス製造での実用化が期待され、学術・産業界にとって重要な技術である。半導体用レジスト材料の精密有機合成法と微細加工技術を応用し、次世代ナノインプリント用ガス透過性透明モールド材料の設計指針を確立すべく、初年度の研究を推進した。 材料合成の主課題は高透明性・ガス透過性を有する多孔質の有機分子の探索とそれへの感光性付与、及びナノインプリント耐久性を有する光架橋反応基の選定であった。差圧式ガス・水蒸気透過率測定装置(GTR-TEC製)による酸素・水蒸気・アンモニア等のガス透過性、紫外線照射装置と非接触光干渉式膜厚測定による膜収縮性、引きはがし粘着力測定装置と接触角測定装置による離型性・表面新疎水(表面エネルギー)特性、膜厚計と粘弾性測定装置を用いた光硬化性、及びナノインデンターや曲げ試験装置による機械的特性が、本研究で合成する空孔内径が異なる誘導体の化学構造・分子量、その架橋反応基や水酸基の濃度に対する相関性を一部理解できた。 得らえた研究実績は、査読付き英語学術論文 6件、国際会議 10件、特許申請 1件等にて積極的に公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
得らえた研究実績は、査読付き英語学術論文 6件、国際会議 10件、特許申請 1件等にて積極的に公開できたため。更に、一部の成果は地域企業との共同研究に発展できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
準備した複数のナノインプリント用ガス透過性透明モールド材料の基礎分析と共に、その詳細な解析とナノインプリント法による微細加工評価を富山県立大学(試験機LTNIP-500)とリソテックジャパン㈱(量産機)で行う。目的であるナノインプリント特性と要素との関係を評価するため、設計要素(分子構造・分子量・水酸基濃度等)とプロセス要素(加圧力・光照射量・焼成温度)を解明する(図4)。ガス透過性やナノインプリント繰り返し評価(モールド耐久性)に対する市販成型材料のナノ加工形状・限界解像性(加工限界)・加工精度・加工サイズのゆらぎの依存性に主眼を置き、シクロデキストリンやカリックスアレーン骨格を主原料に用いたナノインプリント用ガス透過性透明モールド材料の適用可能性(ナノインプリントサイクル数・耐久性)を明らかにする。 ナノインプリント繰り返し特性に影響するガス透過・吸着性の性能劣化についても考慮する。望ましいガス透過性透明モールド材料を得るための材料設計や成型プロセスについて高分子学や精密加工学の観点から考察する。 積極的な外部発表による研究成果の公開に加え、民間企業との産学連携を加速させ、新材料の実用化を達成する。
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Causes of Carryover |
本年度に予定していたガス透過性透明モールド材料の原料や溶媒等の試薬購入のための費用は、学内研究費の追加資金や寄付金等の支援により充当することができたため。更に、購入を予定していた高速液体クロマトグラフィ装置については、産学連携企業の分担により無料で分析いただけることになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ガス透過性透明モールド材料の初期開発が成功し、当初の計画以上に研究成果が得られているため、ガス透過性透明モールド材料の材料設計範囲を拡大・かつ産業に貢献すべく、試薬購入費や連携・外部発表旅費に次年度使用額を使用する計画である。
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Research Products
(20 results)