2018 Fiscal Year Annual Research Report
development of control technique for behavior of ionic liquid molecules at graphene/SiC surface and interface
Project/Area Number |
16K04939
|
Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
碇 智徳 宇部工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (40419619)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 正路 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60264131)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 表面・界面物性 / グラフェン / SiC / 準安定原子誘起電子分光法 / イオン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
液体-気体(真空)界面(表面)或いは固体-液体界面におけるイオン液体(IL)分子に関する新たな物理を確立するために、平成30年度は(1)有機材料蒸着環境の構築と(2)不活性表面及び活性表面における最表面の電荷制御と(3)各表面におけるIL分子挙動の観測の事前研究に取り組んだ。 (1)有機材料蒸着環境の構築として、電子状態測定と構造観察可能な観測室へ真空環境下で試料輸送できる準備室へ有機材料用蒸着源を設置し、試料輸送を可能にした。ここでは、IL分子だけではなく、その他の粉末の有機材料の蒸着も可能な装置を構築できた。 (2)異種原子吸着或いは挿入による不活性表面(グラフェン/SiC)及び活性表面(各SiC再構成表面(1×1), (3×3)等)での最表面における電荷状態の制御を目指した。異種原子として水素と酸素を選び、それぞれをガス或いは原子状態で各表面に曝露した。また、異種原子の吸着或いは挿入を促進する目的で触媒効果をもたらすアルカリ金属(Cs, K)を前吸着し、酸素導入による表面電荷状態の制御についても試みた。低速電子線回折(LEED)により表面構造を観察し、準安定原子誘起電子分光法(MIES)等を用いて電子状態を観測した。その結果、表面の水素化或いは酸化による表面電荷状態の制御の可能性を掴めた。 (3)不活性及び活性表面におけるIL分子挙動を調べるための事前研究として、各SiC再構成表面に対して、粉末状の有機材料である金属フタロシアニン分子(MePc)を用い、表面構造における有機分子の配向制御の可能性を掴んだ。ここでは、亜鉛と銅の2種類の異なる中心金属を配した分子(ZnPc, CuPc)を選び、基板表面構造と中心金属の違いによる分子挙動を観測した。IL分子蒸着は、現在、取り組んでおり、研究協力者と観測したイミダゾリウム系IL吸着した金或いはマイカ表面での結果との比較を行う。
|
Research Products
(4 results)