2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study of the mechanism behind alkali-metal effects on compound semiconductor thin-film photovoltaics
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16K04969
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
石塚 尚吾 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (60415643)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エネルギー変換素子 / アルカリ金属効果 / 欠陥物性・制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
カルコパイライト材料におけるアルカリ金属効果(添加によりデバイス性能が飛躍的に向上する効果)の解明は、化合物薄膜太陽電池の分野において長年の課題である。特に最近は以前よりその効果が知られていたNaだけでなく、比較的重いアルカリ金属元素であるK、Rb、Csなどによる効果が大きな関心を集めている。本研究課題では、その中でも特にRbに注目し効果解明に向けた研究を行ってきた。代表的なカルコパイライト材料であるCu(In,Ga)Se2のIII族元素とアルカリ金属効果との関連性に着目し、薄膜とデバイスの両方の観点から検証を行った。結果、アルカリ効果の発現には特にIn元素の存在が重要で、Inを含まないCuGaSe2では、Rb添加によるデバイス性能向上の効果はほとんど見られないことがわかった(S. Ishizuka, et al., J. Phys. Chem. C 2018, 122, 3809)。 Inを含有するCu(In,Ga)Se2薄膜では、Rb添加(RbF-PDT)によって、薄膜表面にRb化合物が形成されるが、CuGaSe2ではそのような化合物が形成されないことが新たに発見された。また、アルカリ金属添加によって、Cu(In,Ga)Se2中の準安定アクセプタ形成がより促進することがわかった。この原理を利用することでバッファ層を用いずに作製したCu(In,Ga)Se2太陽電池デバイスでも高い光電変換効率を実現できることに成功した(S.Ishizuka, et al., ACS Appl. Mater. Interfaces 2017, 9, 31119, Adv. Energy Mater. 2018, 8, 1702391)。さらに重いCsの添加では、やはりアルカリ金属効果によるデバイス性能向上は見られるが、表面改質のメカニズムはRbとは異なることなども明らかにした。
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Research Products
(6 results)