2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Reactions at Surface of Gas and Humidity Sensors by Cluster Calculations
Project/Area Number |
16K05007
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
藤本 晶 沼津工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (10238610)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超伝導材料 / 分子軌道計算 / クラスター / 湿度センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
Sr-Ca-Cu-O超伝導材料の湿度センサへの応用可能性を、これまで行ってきたクラスターを用いた分子軌道計算によって検討を進めた。SrO-SrO-CuO2-Ca-CuO2-SrO-SrOの順で積層させたセルを1×1から2×2個でクラスタークラスターを形成し、[100]および[110]方向からH原子、OH-イオン、H2O分子を接近させ、それらのクラスター表面への吸着状況、やインターカーレーションの状況を中心にシミュレーションを行った。 その結果H2O分子はクラスターに接近する過程でH+とOH-に分解してクラスターと相互作用し、(100)面に垂直な方向から接近させた際には吸着しないが、(110)面に平行な方向から接近させた場合には、クラスターから1.8Å付近で吸着することが判った。また吸着の際にはクラスターがc軸方向に膨張し、それに伴う超伝導特性の変化からH2O分子を検知できる可能性を見出した。 またOH-単独の場合でも、(100)面に垂直な方向から接近させた場合には、クラスターへの吸着やインターカーレーションは認められず、H2Oの場合と同様(110)面に平行な方向から接近させた際には、クラスターへの吸着とクラスターのc軸方向への最大0.12Åの膨張が見られた。 これらのことから、Sr-Ca-Cu-O超電導材料が湿度センサの構成材料としての可能性を示すことができた。今回のSr-Ca-Cu-Oクラスターでの計算での手法を、ガスセンサの構成材料であるSnO2のクラスターに応用することで、より精度の高いシミュレーションが可能となると予想できる。
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