2017 Fiscal Year Research-status Report
局所構造歪みの検証による構造・磁性相転移の本質の解明
Project/Area Number |
16K05011
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
宮永 崇史 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70209922)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | XAFS / FeRh合金 / FeRhPd合金 / 磁性相転移 / 構造相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
FeRh合金およびFeRhPd合金の磁気および構造相転移付近の挙動をXAFSを用いて局所構造的見地から調べた。特にFe K-端およびPd K-端のXAFSの温度依存性を測定し、Athena&Artemisコードにて解析した。高エネルギー加速器研究機構放射線科学研究センター(Photon Factory)およびあいちシンクロトロン光センターを利用した(茨城県つくば市および愛知県瀬戸市に出張する旅費として支出した。また、あいちシンクロトロン光センターのビームライン使用料として当該科研費から支出した) PdのK端の蛍光測定において、SSD(Solid state ditector)およびSDD(silicon drift detector)の両方において測定を行った結果、SDDの方が分解能および感度がよいことが確認された。 詳細な解析の結果相転移付近でのFeRhPd合金のPd周囲の局所構造変化を初めて調べた。当該グループですでに発見しているFeRh合金同様の局所歪がFeRhPd合金のPd周囲の局所構造にもみられることが明らかになった。 得られた成果を第20回XAFS討論会にてポスター発表した(兵庫県姫路市に出張として支出した) 一方、XMCD測定も試みたが、電子収量法を使用した結果、表面の磁化が小さく、XMCDスペクトルを検出することができなかった。電子囚虜法ではなく、今後は蛍光測定法を試みる予定でである。 日本XAFS研究会のメンバーが執筆した「XAFSの基礎と応用」が刊行され、それを購入した(当該科研費より支出した)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相転移付近でのFeRhPd合金のPd周囲の局所構造変化を初めて調べた。当該グループですでに発見しているFeRh合金同様の局所歪がFeRhPd合金のPd周囲の局所構造にもみられることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに詳細に解析し、2018年7月にポーランドで行われる国際XAFS学会で発表を行う。
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Causes of Carryover |
当初の計画と若干の差異が生じた。次年度に測定のための原材料を購入予定である。
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