2017 Fiscal Year Research-status Report
転換可視蛍光収量を用いた新しい透過軟X線吸収分光法の開発
Project/Area Number |
16K05033
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
堀場 弘司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (10415292)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | X線吸収分光 / 放射光 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度には可視光の検出するための光学系・検出器系を開発して真空チャンバーに取り付け、転換可視蛍光検出のためのシステム構築を行い、そのシステムを用いて可視蛍光基板の特性評価等を行ってきた。今年度には更なる手法開発を進め、特に蛍光基板と可視光検出器を総合した検出器系における、信号強度の線形性についての検討を進めた。結果として、信号強度が強すぎる場合に強度が飽和する現象が見られたが、ある程度の信号強度まではどの基板においても線形性が保たれていることを確認した。また得られた知見を元に、各種の可視蛍光基板上に堆積した薄膜試料について透過軟X線吸収分光のテスト測定を行った。特に目的となる元素の吸収端のエネルギーと、薄膜の膜厚について依存性を測定し、条件の最適化を行ったところ、最適膜厚は試料組成に大きく依存するが、概ね予想される透過率の傾向に一致することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であった実試料による測定手法の実証が開始出来ており、測定手法の開発は概ね終了段階に来たと言って良い。 開発した手法を汎用的手法として確立するためには、様々な実試料の測定を重ねていく必要があるため、国内外の薄膜研究者と学会や研究室訪問等で情報交換を行い、共同研究による測定試料の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は開発した手法を汎用的手法として確立するために、国内外の薄膜研究者と共同研究を行い、様々な実試料の測定を行っていく。
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Causes of Carryover |
使用額は端数で、ほぼ予定通りに使用した。
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Research Products
(20 results)