2018 Fiscal Year Annual Research Report
Efficient numerical calculation method of high frequency electromagnetic fields in large-scale low-loss cavities and reverberation chambers
Project/Area Number |
16K05040
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
濱田 昌司 関西大学, システム理工学部, 教授 (20246656)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電磁界 / モーメント法 / 残差切除法 / 反復解法 / 電界積分方程式 / 反射箱 / 高速多重極法 / 収束性 |
Outline of Annual Research Achievements |
低損失密閉環境(エレベータ・函体等)中および反射箱(放射イミュニティ試験装置の一種)中の高周波電磁界は、生体影響や電子機器影響の観点から重要だが、現在も大規模高精度計算が困難な計算対象の一つである。本研究では無損失立方体空洞内電磁界のモーメント法解析につき、計算精度と収束性の改善法の開発・改良に取り組んだ。 積分方程式と反復法には電界積分方程式とBiCGSafe法とを用いた。この場合、空洞辺長にほぼ比例し収束性が悪化し、共振条件近傍で収束性が重度に悪化し、共振条件の更に近傍で精度と収束性が重度に悪化した。そこで残差切除法を適用し収束性改善を試み、以下の成果を得た。[1]空洞内電磁界解析に適した残差切除法の運用法(パラメータ設定や補助的工夫等)を示した。[2]複数の近似解を用いる残差切除法と呼ぶ改良法を新規開発した。[3]特に悪条件の(BiCGSafe法単体で収束しない)場合の収束性を改善した[2]の変種を2種開発した。 立方体空洞辺長を1~約38波長(0.2波長刻み)および約38~約53.6波長(不等間隔刻み)で変更し、収束性を調査した(これ自体、前例のない貴重な調査結果である)。[2]の手法の収束性改善率は38波長前後で約2倍に留まったが、悪条件時には最大約8.5倍となった。[3]の手法は常に収束を保証するものではないが、BiCGSafe法単体で収束不能でも収束する例が示され、この意味で無限大の改善率を得た。 本研究では最終的に残差切除法の改良と性能調査に注力したが、得られた成果は以下の観点からも意義深い。[i]空洞内電磁界問題に限らず様々な分野の問題に適用可能(有効性は検証しなければ不明)。[ii]任意の前処理および反復解法と組み合わせられ、適用自体は比較的容易。[iii]残差切除法の運用面および手法の拡張面に発展の余地が示された。[iv]今後、広範囲な応用と発展を期待可能。
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Remarks |
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門)に濱田昌司,「導体空洞内電磁界のMoM解析のための残差切除法の拡張手法」を投稿中。
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Research Products
(1 results)