2017 Fiscal Year Research-status Report
ハイパースペシャル・コンパクト群の既約表現の研究とその応用
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16K05053
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
高瀬 幸一 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60197093)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超尖点的既約表現 / 有限群の既約表現 / Weil-Dekigne群 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究により,非アルキメデス的局所体上の簡約可能代数群のハイパースペシャルコンパクト部分群の正則随伴軌道に付随する既約表現の一般論が,特殊なSchur因子の自明性の仮定の下に,確立された.今年度はその成果を,上記代数群の超尖点的既約表現の具体的な構成に応用する研究を行った.成果として 1) 非アルキメデス的局所体の緩分岐拡大から生じる正則元に付随するハイパースペシャルコンパクト群の既約表現からコンパクト誘導表現により特殊線形群の超尖点的既約表現を構成し,その形式的次数を明示的に求めた.更に自然に生じる Weil-Deligne 群の既約表現に付随するガンマ因子を明示的に求めて,Hiraga-Ichino-Ikeda の形式的次数の公式が成り立つことを確認して,我々の構成した超尖点的既約表現の Langlands パラメターを推測した. 2) 同じく非アルキメデス的局所体の緩分岐拡大から生じる正則元に付随するハイパースペシャルコンパクト群の既約表現からコンパクト誘導表現により斜交群の超尖点的既約表現を構成し,その形式的次数を明示的に求めた.また不分岐拡大に付随する場合には構成した超尖点的既約表現が generic であることを示した.また Steinberg 上限に対応する Weil-Deligne 群の既約表現を具体的に求め,そのガンマ因子を明示的に求めた.予想される Hiraga-Ichino-Ikeda の形式的次数の公式によれば,我々の構成した超尖点的既約表現の形式的次数の残余の部分は緩分岐拡大の分岐状況を微妙に反映していて興味深く,今後の研究課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非アルキメデス的局所体上のハイパースペシャルコンパクト群の既約表現に関する前年度に確立された一般論を,特殊線形群および斜交群の超尖点的既約表現の具体的構成に応用し,その具体的な性質を調べるのに有効に活用できたから.
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Strategy for Future Research Activity |
1) 特殊線形群の超尖点的既約表現の Langlands パラメーターが推測できたから,知られている特殊線形群の超尖点的既約表現の Langlands パラメーターと比較して,我々の構成方法と従来から知られている超尖点的既約表現の構成方法の関連を明らかにする. 2) 斜交群の超尖点的既約表現が構成できたから,特に階数 2 の斜交群の場合に対応する Langlands パラメーターを予想される Hiraga-Ichino-Ikeda の公式を用いて推測する.
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Causes of Carryover |
大学内の業務遂行のために,9月の整数論サマースクールに参加できなかったことにより,旅費の使用計画に変更が生じたため.次年度使用額の3分の2は旅費として使用し,残り3分の1は物品の購入にあてる.
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Research Products
(1 results)