2017 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
16K05076
|
|---|
| Research Institution | Tokyo University of Science |
|---|
Principal Investigator |
青木 宏樹 東京理科大学, 理工学部数学科, 准教授 (10333189)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 保型形式 / ヤコビ形式 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、多変数の保型形式について、明示的・構成的な手法を用いて調べることにより、今まで以上の知見を得ようというものである。より具体的には、保型形式のフーリエ・ヤコビ展開と、その係数としてあらわれるヤコビ形式を直接の研究の対象としている。今年度は、基本的には申請時の実施計画に従いつつ、前年度にやり残した部分、前年度に予想以上に進んだ部分などを考慮して、より優れた成果を得るべく、研究を行なった。今年度の主な研究実績は、次のとおりである。
（１）ジーゲル保型形式・ヤコビ形式については、今までの自身の研究成果の総合的な報告を国内の研究集会で行なった。また、最新の結果（実数重み・実数指数のヤコビ形式の構造決定）が論文として刊行された。その他、海外研究者からの研究上の問い合わせに答えるなどの活動も行なった。
（２）ヒルベルト保型形式については、適切な共同研究者と出会えたこともあって、昨年度以上にさらに順調に研究が進んだ。新たな成果（混合重みの場合の構造決定）をドイツおよびイギリスにて行なわれた国際研究集会やその他いくつかの場所で発表した。この研究は一段落するところまでたどりつき、共同研究者と共著論文をまとめて年度末に専門誌に投稿を行なった。
（３）本研究課題に関連して、ドイツで行なわれた国際研究集会「3rd Japanese-German Number Theory Workshop」の日本側世話人の一員をつとめた。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記した研究実施計画と比べると、現在までの研究実績は、進んでいる部分（ヒルベルト保型形式の研究の進展）もあればやや遅れている部分（ヤコビ形式そのものの研究）もあるといった状況である。ただ、この２年間で、論文発表１本、他１本投稿中、国際研究集会での発表数件を含むかなりの件数の研究発表という数は、当該分野での単独研究のなかでは少なくないはずであり、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
基本的には申請時の実施計画に従いつつ、これまでにやり残した部分、これまでに予想以上に進んだ部分などを考慮して、より優れた成果を得るべく、研究を続けていきたい。来年度は本課題の最終年度なので、よい成果をあげるべく努力したい。
|
| Causes of Carryover |
（理由）
昨年度に本研究費を使用して実施した研究集会「2016年度整数論サマースクール『保型形式のｐ進family入門』」において報告集を刊行する予定であったが、原稿のチェックと刊行の準備に予想外に時間を要してしまい、今年度の支出に間に合わなかった。
（使用計画）
理由のところで述べたとおり、報告集を来年度に刊行する。
|
