2016 Fiscal Year Research-status Report
ゼータ関数の値分布と無限分解可能分布など関連する研究
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16K05077
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 隆 東京理科大学, 理工学部教養, 講師 (50532355)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゼータ関数 / L関数 / 零点 / 無限分解可能分布 / 特性関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度に arXiv にアップロードした2つの論文について概要を以下に述べる。 Takashi Nakamura, Zeros of polynomials of derivatives of zeta functions, arXiv:1605.02940 : $\Re (s) >1/2$で絶対収束するDirichlet級数を係数に持つ$\zeta (s)$の多項式の微分は$\Re (s) >1/2$において無限個の零点を持つことを示した.この系として,種々のゼータ関数とその微分は無限個の零点を持つことが示された.さらに$\zeta (s) +100s$や$\exp(\zeta (s))$などの上記の条件を充たさないゼータ関数から作られる関数は,$\Re (s) >1/2$において零点を持たないことを明記した. Takashi Nakamura, Zeta distributions generated by multidimensional polynomial Euler products with complex coefficients, arXiv:1606.09418 : オイラー積で定義されるゼータ分布は1重積かつ1次元のものは古くから知られている。多重積かつ多次元にしたものは青山氏と研究代表者により定義された。その論文では係数は実数かつ絶対値が1の場合のみ扱われていたが、この論文では絶対値が1以下の複素数を係数に持つものを扱った。この論文では青山中村論文とは全く異なる手法が用いられ、別証明も与えられていることを注意しておく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文を2本 arXiv に公表できた
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Strategy for Future Research Activity |
研究は大まかに4つに分けられる。それぞれについて推進方策を述べる。 (1)多重ゼータ関数の値の明示公式,値の関係式,関数関係式 : ルート系のゼータ関数、特にそれを1のべき根で捻ったものの、値の関係式、関数関係式について研究する。 (2)ゼータ関数の値分布,主に普遍性 : 複素平面における稠密性の存在と非存在、関数空間における普遍性の存在と非存在について探っていく。 (3)ゼータ関数の零点 : 普遍性を使った新たな応用例、絶対収束領域での零点の存在と非存在、リーマン予想の類似を充たすような例の探求をする。 (4)ゼータ関数と無限分解可能性 : 無限分解可能性、擬無限分解可能性、そのいずれでもないか、ゼータ分布を中心に分類する。さらに加法過程との関連について研究する。
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Causes of Carryover |
講義などの学内業務が想定より大きかったため、出張が制限された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
外国人研究者との研究打ち合わせに使用する。
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Research Products
(11 results)