2017 Fiscal Year Research-status Report
ゼータ関数の値分布と無限分解可能分布など関連する研究
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16K05077
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 隆 東京理科大学, 理工学部教養, 講師 (50532355)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゼータ関数 / 実零点 / 関数等式 |
Outline of Annual Research Achievements |
Functional equations and zeros of the bilateral Hurwitz and periodic zeta functions, arXiv:1712.05169 を公開した。 その内容は、bilateral Hurwitz zeta function $Z(s,a):=\zeta (s,a) + \zeta (s,1-a)$は$1/4 \le a \le 1/2$であるとき非正の偶数点のみに実零点を持つことを示した。さらに、the bilateral periodic zeta function $P(s,a):={\rm{Li}}_s (e^{2\pi ia}) + {\rm{Li}}_s (e^{2\pi i(1-a)})$は$1/4 \le a \le 1/2$であるとき負の偶数点のみに実零点を持つことを示した。これらの和$Q(s,a):=Z(s,a) + P(s,a)$も同じ性質を充たすことを証明した。さらに$a$が充分小さい場合は$(0,1)$において実零点を持つことを証明した。これら3つの関数はリーマンゼータ関数と全く同じ形の関数等式を充たすことも示した。これはハンブルガーの定理において、少し仮定を弱めれば、リーマンゼータ関数で無いゼータ関数が数多く存在することを意味している。$1/4 < a < 1/2$が有理数あるいは超越数であるとき、上の3つの関数はリーマン予想の類似を充たさないことも示した。つまり絶対収束領域においては$1/4 < a < 1/2$が有理数あるいは超越数であるとき無限個の零点を持つことを示し、臨界領域においては$1/4 < a < 1/2$が有理数であるとき無限個の零点を持つことを示した。証明には、上記のフルビッツゼータ関数あるいはディリクレL関数の同時普遍性定理などが臨界領域においては使用されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年は論文が4本出版された
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Strategy for Future Research Activity |
フルビッツゼータ関数に関連する関数の実零点はまだまだ未開拓であるので、その近くを中心に研究を継続したい。
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Research Products
(9 results)