2020 Fiscal Year Research-status Report
ゼータ関数の値分布と無限分解可能分布など関連する研究
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16K05077
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中村 隆 東京理科大学, 理工学部教養, 准教授 (50532355)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゼータ関数 / L関数 / 関数等式 / 実零点 / 急速収束級数表示 / 特異点消去 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、Q(s,a) と書かれる関数の研究を主に行った。 Arxivで公表した1つ目の論文 The values of zeta functions composed by the Hurwitz and periodic zeta functions at integers (arXiv:2006.03300) では、Q(s,a) の負の整数点での値と正の偶数点での値を扱った。この2つが明示的に書ける関数は多くはないことを注意しておく。2つ目の論文 L-functions with Riemann's functional equation and real zeros of Dirichlet L-functions (arXiv:2008.02570) では、リーマンゼータ関数と全く同じ関数等式を持ち、ディリクレL関数と全く同じ場所に実零点を持ち、フルヴィッツゼータ関数のような実でない零点をもつ関数を定義した。 この研究とは全く別の研究対象である、トーンハイム2重ゼータ関数の急速収束級数表示と特異点消去を扱った論文 Rapidly convergent series representations of symmetric Tornheim double zeta functions (arXiv:2103.16873) を Arxivで公表した。系として、トーンハイム2重ゼータ関数で1変数にした場合はリーマンゼータ関数の多項式で書けないことを示した。これは、オイラーザギエ多重ゼータ関数と多重ゼータスター関数を一変数にした場合はリーマンゼータ関数の多項式として書き表されることと対照的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のためか、主要な論文の審査が想定よりも遅く、その後に続く論文が投稿できずにいる。しかしながら、2020年度に、異なったテーマを扱った論文が刊行されたのが唯一の救いである。
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Strategy for Future Research Activity |
自身の研究は進んでいるが、その審査が進んでいないため、自分にとって新たな研究分野を開拓する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により国内外の出張が不可能になったため。
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Research Products
(5 results)