2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K05080
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
尾崎 学 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80287961)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 絶対Galois群 / 算術的同値 / Dedekindゼータ函数 |
Outline of Annual Research Achievements |
有限次代数体の体同型類は,その絶対Galois群の最大可解商の群構造で特徴付けられることがNeukirch-内田-池田-岩澤の定理によって知られている.そこで有限次代数体の体同型よりも弱い同値関係である算術的同値(すなわちDedekindゼータ函数の一致)に関する同値類を絶対Galois群の言葉で特徴付けるという問題が自然に浮上する.本年度の研究によってこの問題に関して次の定理が得られた: 定理 有限次代数体k,k'について,それらの最大アーベル拡大体上の最大冪零拡大体をそれぞれL(k),L(k')とする.このとき,Gal(L(k)/k)とGalo(L(k')/k')が同型ならばkとk'は算術的同値である.言い換えると,有限次代数体kのDedekindゼータ函数はGal(L(k)/k)の群構造から完全に決定される. 系として次が得られる: 系 有限次代数体k,k'について,kは有理数体上正規拡大であり,Gal(L(k)/k)とGalo(L(k')/k')は同型であるならば,k=k'が成立する. 上の定理の逆が成立するかどうかは難しい問題であるので,今後の研究課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目標の一つである,Dedekindゼータ函数を絶対Galois群の小さな商から復元することがある程度は達成できたので,本研究は順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で,Dedekindゼータ函数を復元するために必要な絶対Galois群の商を与えることに成功したが,逆にDedekindゼータからどこまで絶対Galois群の構造が定まるかを明らかにするために研究を進める.
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Causes of Carryover |
家族の事情で計画していた国内、海外出張を延期したため。
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