2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05081
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
広中 由美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10153652)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | p進球関数 / hermitian form / p進等質空間 / ヘッケ環 / マクドナルド多項式 / quaternion hermitian |
Outline of Annual Research Achievements |
$p$進体上のunitary hermitian forms の空間について,球関数を決定して,それを基に調和解析をすることを引き続き研究し,基礎体がdyadic の場合も込めてまとめた.空間のカルタン分解は,dyadic の場合は対角型でない元だけからできる軌道が現れるが,球関数の明示式は $k$ における $2$ の分岐指数 $v_\pi(2)$ を組み込む形で統一的に記述できて興味深い.空間をなす行列のサイズが奇数の場合には,一般のdyadicには到達できなかったが,予想的な記述はできている.直接計算するには複雑すぎるようだが,別の形での正当化ができないかどうかは今後も考えるべきことである.
$p$進体上の division quaternion 上のhermitian forms を考える.この空間については,以前にも多少考察していたが,改めて概括的に研究している.群自体の球関数は,佐武の結果までさかのぼれて,最も標準的なマクドナルド多項式によって記述される.quaternion hermitian forms の空間でも,対称行列などと同様に,局所密度の生成関数として球関数が考えられる.球関数の主要部として,新たな形のマクドナルド多項式が現れてきている.その研究は,ramified hermitian forms の研究にも関係しそうである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
division quaternion 上の hermitian forms の空間の研究の見通しが,立ってきた. この空間のカルタン分解は,不分岐エルミート形式と分岐エルミート形式と双方に類似したタイプであり,低次元の球関数も同様である.この空間を一般サイズで考察することで,従来よく分からなかった一般次元の分岐エルミート形式の球関数についても役立ちそうである.
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Strategy for Future Research Activity |
division quaternion 上のhermitian forms の空間の調和解析的考察として,球フーリエ変換の像や,これに付随するPlancherel 測度について研究する.今のところ,剰余体標数は奇数として進めているが,dyadic にも視野を広げたい. 前年度に引き続き,立教大学の小森靖氏を連携研究者として迎えて,特にMacdonald 多項式関係の部分の研究を進める予定である. 概均質ベクトル空間の理論も,等質空間上の球関数には密接につながりがある.元立教大学の佐藤文広氏に協力して早稲田大学において定期的にセミナーを開催している.ここで,概均質ベクトル空間関係の研究者との研究連絡をとる.
また,研究集会「数論女性の集まり」も引き続き世話人として関わり,自分自身の研究発表をして批評を仰ぐとともに,関連する研究者の講演や討論を踏まえて,この研究を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
室蘭工業大学で workshop を開く予定であったが,代わりに早稲田に来ていただいたりしたので,出張旅費にゆとりができた.また,書籍に関しても,購入予定であったが,注文時期が遅れて,入荷の見通しが立たないものがあった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は室蘭に出張予定で,比較的高額の出張となりそうであり,この残余の額も含めて全体として出張予定を作り,書籍費の一部にも充当する.
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Research Products
(5 results)